【6区・西村真周選手】第99回箱根駅伝タイム解析【東洋大学】

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ごきげんよう、鉄紺忍者です。

箱根駅伝タイム解析シリーズ、

今回は6区・西村真周選手についてです。





↓他区間のタイム解析記事はこちら
【1区・児玉悠輔選手】63分40秒 ⑰
【2区・石田洸介選手】70分04秒 ⑲
【3区・小林亮太選手】62分33秒 ⑨
【4区・柏優吾選手 】63分04秒 ⑬
【5区・前田義弘選手】71分21秒 ⑤
【6区・西村真周選手】60分13秒 ⑬
【7区・佐藤真優選手】64分35秒 ⑮
【8区・木本大地選手】64分16秒 ①
【9区・梅崎蓮選手 】68分36秒 ④
【10区・清野太雅選手】70分04秒 ⑨

↑箱根駅伝6区(箱根芦ノ湖〜小田原)のコース紹介です。




6区・西村真周(1年)

■結果
1万mベストから算出した予想タイム:
59分47秒 ⑩(1639-2951-4316-5722)

結果タイム:
60分13秒 ⑬(1627-2925-4313-5747)

———

1年生で6区山下りに大抜擢でした!

成績だけ見ると区間二桁ではあるのですが、

途中までがすごく良かったんですよ!

下りの適性を感じる走りで、

来年成長してまたリベンジしてほしいと

思わせるような片鱗を見せてくれたと思います!

↑九嶋選手が2月の宮古島ワイドー・ズミ駅伝で1区区間賞

■ラップ計測
駒澤・伊藤(1年)東洋・西村(1年)
01km 02:55 (2:55) – 02:57 (2:57) +0:02
02km 06:06 (3:11) – 06:03 (3:06) -0:03
03km 09:56 (3:50) – 09:51 (3:48) -0:05
04km 13:23 (3:27) – 13:31 (3:40) +0:08
05km 16:17 (2:54) – 16:27 (2:56) +0:10
<下りここから>
06km 18:58 (2:41) – 19:12 (2:45) +0:14
07km 21:32 (2:34) – 21:46 (2:34) +0:14
08km 24:07 (2:35) – 24:20 (2:34) +0:13
09km 26:36 (2:29) – 26:52 (2:32) +0:16
10km 29:15 (2:39) – 29:25 (2:33) +0:10
11km 31:49 (2:34) – 31:53 (2:28) +0:04
12km 34:24 (2:35) – 34:31 (2:38) +0:07
13km 36:59 (2:35) – 37:38 (3:07) +0:39
14km 39:40 (2:41) – 40:36 (2:58) +0:56
15km 42:12 (2:32) – 43:13 (2:37) +1:01
16km 44:43 (2:31) – 45:47 (2:34) +1:04
17km 47:20 (2:37) – 48:26 (2:39) +1:06
<下りここまで>
18km 50:07 (2:47) – 51:17 (2:51) +1:10
19km 52:58 (2:51) – 54:28 (3:11) +1:30
20km 56:02 (3:04) – 57:47 (3:19) +1:45
FIN 20.8k 58:22 ③ (2:55) – 60:13 ⑬ (3:02) +1:51

それでは、西村選手の走りを5kmごとに区切って見ていきたいと思います



■5km:16分27秒 (16分27秒)
※推定全体平均:16分47秒 (16分47秒)

前日の往路は一時最下位になったところから

11位まで立て直し、迎えた復路(二日目)のスタート。

ルーキーらしく、

フレッシュで思い切りのよい走りっぷりです。

6区最初の定点・芦之湯4.8kmは区間3位

まずは順調に滑り出しました!



6区は「山下り」と呼ばれますが、

序盤の1.8km〜4km手前までは登りになっています。

57分34秒の大学記録を持つOB今西駿介さん

前回東洋大学の6区を務めた九嶋先輩もそうでしたが、

登りにはそれほど苦手意識がないタイプのようですね!



しかしやはり6区は、

「山下り」が始まってからが本番!

さてこのあとどうなるでしょうか?



■10km:29分25秒 (12分58秒)
※推定全体平均:30分04秒 (13分17秒)

うぉっ!出ました、12分台!

最近だと今西選手が大体13分00秒〜13分15秒あたり。
(彼は比較的下り以外で稼いでいたタイプでしたね)

12分台は下りの適性を感じます!

9.0km小涌園前の定点でも区間4位と上位をキープ!

シード権の10位・城西大学との差も

芦ノ湖スタート1分34秒差→37秒差に!

コーナーの多い6区ですがさすがにここまで詰まると

前が見えているかもしれません。

ちなみに9km26:52は歴代だとこのあたりにランクインします。






2014・日下・4年 26分45秒 → 59分04秒
2013・市川・4年 26分46秒 → 59分16秒
2023・西村・1年 26分52秒 → ★
2018・今西・2年 26分58秒 → 59分31秒
2016・口町・3年 26分58秒 → 59分41秒





■15km:43分13秒 (13分48秒)
※推定全体平均:43分37秒 (13分33秒)

あれま!何が起きたのやら……!

前の5-10kmからまだ下りが続いていて、

普通なら大体10秒ちょっと落ちるくらいの

ペースで推移するものなのですが、

一気に50秒もペースダウンしてしまいました。

前の5kmでは平均ペースに圧勝していましたが

今度は逆に遅れてしまっています。



実は、計算上では

一瞬ですが区間2位にも浮上していました。

10km 29分25秒 ④ (2:33)
11km 31分53秒 (2:28)
12km 34分31秒 ③ (2:38)
13km 37分38秒 ④ (3:07)
14km 40分36秒 ⑧ (2:58)
15km 43分13秒 ⑧ (2:37)

10kmまでも速かったですが、

そこからまたさらにペースアップしようとした

形跡がかすかに読み取れますね。

では、12-13kmあたりからの失速は……?

どうやら差し込み (腹痛) があったようですね。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
宮ノ下辺りからの差し込み
https://sports-toyo.com/news/detail/id/21116
スポトウ – [陸上競技]第99回箱根駅伝インタビュー7日目・西村真周

(2023年2月24日)
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


宮ノ下(11.6km)というのは

一番下り坂の傾斜が急になる箇所なのですが、

そこを過ぎると少しのあいだ約1kmくらい

傾斜がややフラットになるんですよね。

ちょうど下り坂の勢いを失う部分と腹痛とが重なってしまった形だったでしょうか。



■20km:57分47秒 (14分34秒)
※推定全体平均:57分51秒 (14分14秒)

18kmの箱根湯本駅前を過ぎると、下り坂は終わり。

いよいよラスト3キロの平地です。

残念ながら、

ここも全体平均ペースより遅れています。

序盤で前の城西・東京国際と詰めていた分の差が

再び開いています。(城西とは37秒差→60秒差)

このあたりは腹痛以外にも、ハーフの距離のスタミナに

まだ課題があるかもしれませんね。



そしてそして、ようやく18.8kmあたりで、

バイクカメラでTVに西村選手が映りました!!!

苦しい表情ながらも

全身を使って懸命に粘って走っていますね!

箱根湯本までは一人きりで頑張ってきましたが、

ここからは後ろに運営管理車の酒井監督が合流です!

「20秒詰めよう!」と

愛のムチが飛んでいます(笑) 📣😂😆

さあ、いよいよラストスパートです!



■FINISH 20.8km:60分13秒 (02分26秒)
※全体平均:60分17秒 (02分26秒)

残り800mのスパートでは最後の意地で

平均ペースまで盛り返しました!

ラスト3キロでは差をつけられてしまいましたが、

途中の下りでは光るものがあったのは確かです!




宮ノ下での差し込みと後半の平地の失速は

実は原因は同じではないかと思っていて、

筋力アップで改善できる可能性があります。

箱根の山下りは、

急斜面で加速するために前傾姿勢を維持する関係で

かなりの筋力を要します。

中盤の大平台(13.7km)のヘアピンカーブでは

身体をインコースに倒して走れているかどうかで

選手の筋肉疲労の余裕度が測れると言われています。

(ペース自体は順調でも、急カーブで身体を倒せる筋力が残っていない=身体が起き上がってしまっている選手は最後に失速する可能性が高い)

しかも身体を右に左に捻ってコーナーを次々曲がり

ノンブレーキで一気に駆け降りてくるので、

内臓が揺れるぶん腹痛も引き起こしやすいんですね。

その点、しっかりと体幹が鍛えられている選手は

腹痛のみならず足腰への負担も軽減されます。

もちろん西村選手も普段のトレーニングで

体幹を鍛えているとは思いますが、

まだ高校から入ってきたばかりということで、

体としてはまだこれからの部分もあったかと思います。

まだまだ伸び代たっぷり。12kmの腹痛が無かったらどんなタイムが出ていたのか。

それを知れる日を心待ちにしています☺️


■2023年シーズンにむけて
——ところが、箱根明けてスポトウのインタビュー、

希望区間が「1・3・7区」!?

いいえ、アナタは6区よ、西村くん😠笑

(いやいやファンがそんなこと言ってもしょうがないのですが😅)

山下りはもう走りたくないのですかね……?💦

そういえば彼、

國學院大の3区のスペシャリストである

山本歩夢選手と同じ高校出身の一つ後輩なんですよね。

それでいくと3区あたりもイメージはできますかね。

でも6…(殴


■第100回大会の箱根駅伝6区は?
九嶋選手(新4年)
目標:58分30秒 (1615-2915-4225-5610)

入学当初は同郷の今西先輩への憧れで「6区希望」と書いていたのかもしれませんが、今では「1区希望」を明言しています。もう1区ないしは他の往路区間で考えたほうがいいのではと思っています。


奥山選手(新4年)
目標:59分00秒 (1625-2930-4245-5640)

新たな6区候補が!(2023/05/17追記)
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「箱根駅伝ではスピードを生かして(山下りの)6区に挑戦してみたい」と奥山は意欲的に話す。
https://hochi.news/articles/20230512-OHT1T51155.html
関東学生1部1500Mで東洋大の奧山輝が3位 父は1500M元日本王者の光広さん : スポーツ報知

(2023年5月12日)
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西村選手(新2年)
目標:59分00秒 (1625-2930-4245-5640)

下りの最高速度はすでに水準に達しているので、今後はそれを持続できる筋力・スタミナアップに期待です。ただ、山下りにせよ平地にせよ、28分台間近となっている10000mのベストタイム更新が楽しみです。二年目のシーズンは一気に主力級になれる可能性を持っています。


濱中選手(新1年)
目標:59分30秒 (1640-2950-4320-5710)

6区経験者の九嶋選手・西村選手ともに平地希望ということになると、さらに他の下り候補を探さねばなりません。現時点では、濱中尊(みこと)選手の名前を挙げておきたいと思います。個人的に「下りの名門」だと思っている西武台千葉高校から入学のルーキーです。卒業生には、2014-2015に東洋大学と死闘を繰り広げた西澤佳洋選手や、青学初優勝メンバーの村井駿選手ら箱根6区を走った先輩がいます。来月5月の関東インカレでは3000mSCにエントリーされており、サンショーの選手は下りが得意なことも多いので、隠れ6区候補として期待です。





■次回予告
次回は、7区・佐藤真優選手 のタイム解析を行なっていきます。



↓他区間のタイム解析記事はこちら
【1区・児玉悠輔選手】63分40秒 ⑰
【2区・石田洸介選手】70分04秒 ⑲
【3区・小林亮太選手】62分33秒 ⑨
【4区・柏優吾選手 】63分04秒 ⑬
【5区・前田義弘選手】71分21秒 ⑤
【6区・西村真周選手】60分13秒 ⑬
【7区・佐藤真優選手】64分35秒 ⑮
【8区・木本大地選手】64分16秒 ①
【9区・梅崎蓮選手 】68分36秒 ④
【10区・清野太雅選手】70分04秒 ⑨

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