ごきげんよう、鉄紺忍者です。
全日本大学駅伝2022の『ふり返りシリーズ』
今回は、全日本7区・梅崎蓮選手についてです。
また、現時点での箱根駅伝の構想についても考えていきます。
7区 (17.6k) 梅崎蓮②
予想タイム:52分45秒(2940-4440)
実際タイム:51分35秒(2915-4350)区間7位
▼振り返り
7位でスタート後、すぐに早稲田大・伊藤大志選手に抜かれました。しかし、そこからしっかり後ろについて行きました。
10キロ通過が29分14秒と、2018年・山本修二選手(52分02秒/区間3位)の入りともほとんど遜色なく、2019年・定方駿選手(52分24秒/区間2位)よりも速いペースで入りました。
その後15キロでは修二選手のペースをも上回り、フィニッシュタイムも東洋大学新記録の51分35秒をマークすることができました。
ようやく東洋も7区51分台の選手を輩出することができました。過去大会で残念ながら失速してしまった西山選手や松山選手も、本来はおそらくこれぐらいのタイムは狙っていたんじゃないかと思います。
最初は、後ろの早稲田と16秒あった差があっという間になくなってしまったので、ペースが上がっていないのかと少し心配になったのですが、二人になってからは走りが安定してきたように思います。
順位こそ1つ落としましたが、ここは並走してくれた早稲田大・伊藤選手に助けられた形になりましたね。
7位 51:35 梅崎(東洋)
8位 51:36 富田(明治)
8位 51:36 山﨑(神奈川)
10位 51:39 湯浅(中央)
という激戦の中で勝ち取った区間7位ですので、よくぞその1秒をけずりだしたと思います。
タスキリレー後の第7中継点では、伊藤選手が梅崎選手へ歩み寄っていくシーンもありましたね。良きライバルとして、同じ二年生同士これから切磋琢磨していってほしいです。(早稲田の 競走部日記 で梅崎君についても書いてくれていました!)
▼箱根に向けて
プランA:箱根3区
プランB:箱根2区
プランC:箱根9区
続いて、箱根駅伝に向けて現時点での起用プランを考察していきます。プランA>B>Cの順で可能性が高いと考えています。
プランA:箱根3区
2019年・吉川選手2年時(62分33秒/区間4位)のイメージで、プランAは箱根3区としました。
3区ならば周りにガンガン飛ばしてくる選手がいそうですし、今回の全日本7区のような走り方もできるかなと考えました。
役割として求められることは、前回同じく2年生で走った佐藤選手に近いかもしれません。持ち前の冷静な走りで、海岸線に出てからもペースを押していき、前のチームを拾っていきたいところです。
プランB:箱根2区
他には、花の2区を期待しています。間に合うようであれば松山選手に任せたいですが、今回に関しては他の候補も考えられると思います。
最近前回の箱根2区の映像を見返して、梅崎選手のイメージに重なりそうな選手を探してみていたのですが、たとえば國學院大の当時2年生の伊地知選手とか、常にどこかしらのグループに入りながら上手く走っているように見えました。
当時の彼のベストタイムが28分56秒とのことで、おそらく今の梅崎選手ともそこまで力は変わらないかなと思いました。ちょうど彼をお手本にして67分50秒・区間12番あたりを目標に、なんとか繋いでくれないかなと思っています。
プランC:箱根9区
他には、復路のエース・9区なんてどうでしょうか。
前回経験している箱根7区でも良いのですが、せっかく全日本でエース区間を経験してもらったので、やはり前年よりもパワーアップした区間で走ってほしい気持ちがあります。
前回の箱根7区が、私の計測では15分05秒→30分14秒(15分09秒)→45分22秒(15分08秒)というラップで、最初からガンガン飛ばしていってしまう選手が多くなった現代の箱根7区において、梅崎選手はどちらかというと、なんだかひと昔前の選手のようなシブい走り方をしてました。
まだ1年生でハーフの経験が少ないといえばそれまでなのですが、下ってようが登ってようが関係なく、ずーっと同じようなペース。普通はガクッとペースが落ちる押切坂や細かいアップダウンのある10-15kmでも一定のペース。かと思えば、疲れてくるはずの15キロ以降で急に元気になってそこからは3分を切り始めました。なんだ、力残っていたんじゃない(笑)
ちょっと面白い話をすると、私自身、大学駅伝のラップ推移は過去10年分以上研究してきたのですが、実はこれ、OBの大津翔吾選手に特徴的だった走り方なんです。いつも「ええ、序盤そんなに抑えるの!?」って思うくらい抑えていて、なんですが、ちゃんと後半でグイグイ上げてくる。そうそう、えーっと、大津翔吾さんっていうのは2009年の箱根初優勝のメンバーで……って、あ!彼もちょうど9区でしたね。
序盤抑えがちということなら、9区はイメージにぴったりハマります。このコースは序盤下っているんですが、23.1kmと距離が長いので、飛ばしすぎるわけにもいかずペース配分が難しいです。特に後半は気温が上がって、道幅も広がりペースも掴めなくなってきて、さあ大変。暑さに強く、ペースも安定している梅崎選手は向いているんじゃないでしょうか。あとは、単独走が上手くできるかどうか。
ただですね、9区は4年生の前田選手・柏選手が希望している区間でもあるんですよね。気持ち的にはやはり最終学年の選手達を優先したくなります……難しいところですね。
例えば3区前田→4区柏→9区梅崎、なんてのも考えるのですが……この三人の区間予想は本番までずっとウンウン悩むことになりそうです(笑)いずれにせよ、梅崎選手も9区向いていると思う、というお話でした。
さて次回は振り返り最終回、全日本8区・柏優吾選手について書いていきます。
各区間のふり返り記事はこちら↓
【3区・児玉悠輔選手】34分33秒 ⑩
【4区・前田義弘選手】34分24秒 ⑥
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