今年も、沿道映像や読者の方からの提供映像をもとに、
1km毎のラップタイムを算出しました。
これらは公式発表のものではなく、
複数年にわたるデータ・映像から検証した独自研究によるものです。
あくまで参考値としてご覧ください。
全21チーム選手のラップタイムを随時追加していきます。

- ★黒田朝日の目線で当日のレース状況を再現
- 小田原中継所|城西・斎藤将也との並走でスタート
- 0-1km 2分55秒|冷静な入り
- 1-2km 3分01秒|ここから一人旅に
- 2-3km 2分54秒|攻め vs 自然体
- 3-4km 3分05秒|登り開始
- 4-5km 3分16秒|「動の工藤」と「静の黒田」
- 5-6km 3分22秒|2〜5位が首位を猛追
- 6-7km 3分18秒|大平台ヘアピンカーブ
- 7-8km 3分32秒|ようやく3分半超えのペースに
- 8-9km 3分18秒|やや登りが緩むとはいえ……
- 9-10km 3分34秒|首位交代とその裏で
- 10-11km 3分20秒|1kmで80m、5区最大の急勾配
- 11-12km 3分20秒|小涌園前、大歓声の行き止まり
- 12-13km 3分04秒|突然のフルスロットル
- 13-14km 3分49秒|連続コーナーで2位浮上
- 14-15km 4分06秒|上り坂の終点
- 15-16km 3分26秒|芦之湯の鍋底
- 16-17km 3分22秒|山頂の試練
- 17-18km 2分47秒|下り坂開始
- 18-19km 2分33秒|トップスピード
- 19-20km 3分00秒|箱根神社の大鳥居
- ①黒田朝日 (青山学院大学4年) 67分16秒
- ②斎藤将也 (城西大学4年) 69分28秒
- ③工藤慎作 (早稲田大学3年) 69分46秒
- ④髙石樹 (國學院大學1年) 70分05秒
- ⑤小林侑世 (順天堂大学3年) 70分31秒
- ⑥野沢悠真 (創価大学4年) 71分31秒
- ⑦
★黒田朝日の目線で当日のレース状況を再現
小田原中継所|城西・斎藤将也との並走でスタート

★小田原中継所タイム差
1位 中央 +0:00
2位 早稲田 +1:12
3位 國學院 +2:29
4位 城西 +3:24
4位 青山学院 +3:24
区間賞候補のうちの一人、
城西大・斎藤将也(前回5区3位)と、
奇しくも同時スタート!
黒田は5区初挑戦で、経験値では斎藤が上回ることになります。

0-1km 2分55秒|冷静な入り

★1km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田2’50”)
2位 早稲田 +1:12 (工藤2’50”)
3位 國學院 +2:32 (髙石2’53”)
4位 青山学院 +3:29 (黒田2’55”)
5位 城西 +3:30 (斎藤2’56”)
黒田は区間7位推定の2分55秒の入り。
この時点ではまだ特筆すべき特徴はありません。
しかし、5区は最初の1kmから約20mを上っています。
他の平地区間にこの坂があったら、明確な「登り」として認識するレベルです。
1-2km 3分01秒|ここから一人旅に

★2km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’06”)
2位 早稲田 +1:07 (工藤3’01”)
3位 國學院 +2:31 (髙石3’05”)
4位 青山学院 +3:24 (黒田3’01”)
5位 城西 +3:34 (斎藤3’10”)
2km地点で、TV中継が切り替わり、
斎藤との並走が完全に解けた様子が映し出されました。
ここから黒田は、単独で前を追う展開に入ります。
後に斎藤は
「ついて行ったら死んじゃう」(日刊スポーツ)
と振り返っています。
山のスペシャリストですら、早くも
“ついていく対象ではない”と判断したとは……。
2-3km 2分54秒|攻め vs 自然体

★3km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’00”)
2位 早稲田 +0:57 (工藤2’50”)
3位 國學院 +2:29 (髙石2’58”)
4位 青山学院 +3:18 (黒田2’54”)
5位 城西 +3:36 (斎藤3’02”)
黒田の前方、2位を走行中の早稲田・工藤が、
3km8分41秒という驚異的なペースで飛ばします。
昨年11月の全日本大学駅伝8区では、
早稲田OB渡辺康幸さんの伝説の区間記録「56分59秒」を
実に30年ぶりに更新した選手です。
“山の名探偵” として期待度は上がりっぱなしで、
「早稲田の往路優勝には、あとは工藤が普通に走るだけ」
そんなプレッシャーも、今思えばこの時点であったのかもしれません。
そんな工藤から約1分20秒遅れで、
青学・黒田も箱根湯本駅前に到達。
3kmは8分50秒ほどで通過したようです。
この時点でもまだ特段速いわけでもなく、
例年の区間上位を争う70分台くらいの選手の入り
といった印象です。
推定区間順位は、ここで2位に浮上。
——いや、「浮上」という表現には違和感があります。
黒田は終始あくまで自然体なのです。
普通、他の選手が山へ向けペースを調整し始める中、
黒田は
山を目前にしてもいっこうに減速する様子がないのです。
同時スタートの城西・斎藤は3km推定9分08秒で通過。
この時点で、黒田の約18秒後ろ、約100m後方まで離されています。
しかし、こちらも決して遅いペースではありません。
_99回 山本(3年) 9分05秒
100回 山本(4年) 9分11秒
101回 斎藤(3年) 9分03秒
102回 斎藤(3年) 9分08秒
という歴代データからすれば、むしろ順調、設定通り。
城西大学伝統のペース配分と言えるでしょう。
3-4km 3分05秒|登り開始

★4km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’10”)
2位 早稲田 +0:49 (工藤3’02”)
3位 國學院 +2:27 (髙石3’08”)
4位 青山学院 +3:13 (黒田3’05”)
5位 城西 +3:38 (斎藤3’12”)
箱根湯本駅を通過し、黒田朝日は偶然にも、
自身と同じ名前のついた旭橋 (あさひばし) を渡ることになります。
やがて、箱根駅伝ファンの間ではお馴染みのトンネル、
函嶺洞門 (かんれいどうもん) が正面奥に見えてきます。
それを左手に見ながら進み、
今度は千歳橋 (ちとせばし) を過ぎて左折すると、4km地点。
塔ノ沢 (とうのさわ) の温泉郷エリアに迎えられ、
いよいよここから箱根5区の本格的な山登りが始まります。
4kmの推定ラップは3分05秒。
走行順位は4位のままですが、
工藤を除けば、前との差はじりじりと詰まっています。
ちなみに、計算上では4km地点で
早稲田・工藤が黒田に約12秒勝っています。
結果的に、これが工藤の作った最大の貯金となりました。
ここを境に、
以降は黒田が山を支配していくこととなります。
4-5km 3分16秒|「動の工藤」と「静の黒田」

★5km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’30”)
2位 早稲田 +0:47 (工藤3’28”)
3位 國學院 +2:21 (髙石3’23”)
4位 青山学院 +2:59 (黒田3’16”)
5位 城西 +3:25 (斎藤3’17”)
区間記録保持者の青学OB若林宏樹さんの
前年の5km通過は15分22秒でした。
実況によれば、
青山学院・黒田は5km15分11秒で通過。
登りが始まっているにもかかわらず、
ここまでほぼキロ3分平均で押してきた計算になります。
そして注目すべきは、
早稲田大・工藤もまた、5kmを同じ15分11秒で通過している点でしょう。
この5km地点で、両者のタイムは完全に並びました。
ただし、その中身は対照的です。
工藤は序盤の平地から鬼気迫る入りで助走をつけ、
その勢いのまま山へ飛び込んでいく
「動の登り」を展開しました。
一方の黒田は、平地から淡々と入り、
山中で周囲のペースが目に見えて落ちる中、
ただ一人減速することなく、
「静の登り」で着実に前との差を詰めていきます。
同じ「5km15:11」の中にも、
山に対する向き合い方の違いが、
この序盤から浮かび上がっていました。
5-6km 3分22秒|2〜5位が首位を猛追

★6km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’34”)
2位 早稲田 +0:37 (工藤3’24”)
3位 國學院 +2:10 (髙石3’23”)
4位 青山学院 +2:47 (黒田3’22”)
5位 城西 +3:14 (斎藤3’23”)
本格的な山へ入り、
ここから各校の差が一気に詰まり始めます。
中央大・柴田は平地のスピードを武器に先頭を走ってきましたが、
さすがに山に入ると苦しさが見え始めます。
それでも71分前後狙える高い水準のペースです。
早稲田・工藤は、その柴田との差を、
1分12秒→37秒まで詰めてきました。
37秒差というのは、
平地で言えば200m以上の差です。
しかし山では37秒で200mも進まないので、
物理的な距離はもっと近いと考えられます。
ただし、カーブが多く視界が利かないため、
数字以上に距離感をつかむのが難しいのも、
この5区特有の特徴です。
テレビ中継では、
1号車の視界から2号車が見えてきたと話題に上がり始めました。
國學院大・髙石は、
平地でこそ工藤に差をつけられていましたが、
山に入ると一転。
なんと工藤と並ぶペースで登り始めています。
1年生ながら、山適性の高さを感じさせる走りです。
6-7km 3分18秒|大平台ヘアピンカーブ

★7km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’39”)
2位 早稲田 +0:29 (工藤3’31”)
3位 國學院 +2:01 (髙石3’30”)
4位 青山学院 +2:26 (黒田3’18”)
5位 城西 +2:54 (斎藤3’19”)
箱根5区は全長の1/3あたり、7km地点まで来ると、
大平台のヘアピンカーブが現れます。
ここでチームメイトから一度目の給水をもらいます。
次の給水は、上り坂が終わった芦之湯16km地点です。
黒田はこの1km3分18秒。
登り続けている消耗などは微塵も感じさせず、
むしろ勢い的には、すぐに終わる一時的な上り坂を
勢いでクリアしているかのようなラップです。
7-8km 3分32秒|ようやく3分半超えのペースに

★8km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’55”)
2位 早稲田 +0:16 (工藤3’42”)
3位 國學院 +1:48 (髙石3’42”)
4位 青山学院 +2:03 (黒田3’32”)
5位 城西 +2:28 (斎藤3’29”)
実はヘアピンカーブそのものより、
大平台駅を過ぎた後のほうが苦しいポイントです。
7〜9kmは、箱根登山電車でいうと
大平台駅→宮ノ下駅の区間にあたります。
この駅間は、電車でさえ
二度のスイッチバックを使って登るような場所です。
黒田はこの1kmを3分32秒。
ここまでで最もラップが落ちているとはいえ、
前との差は縮まり続けています。
ちなみに、5区が今より2.4km長かった時代には、
このあたりに10km看板が設置されていました。
最終学年の 柏原竜二さんの10km通過は31分37秒。
注目度が年々高まり、反対車線まで観戦客が埋まっていました。
もともと道幅の狭い区間ということもあって、
人垣の間を縫うように選手が走っていく、レアな映像が残っています。
8-9km 3分18秒|やや登りが緩むとはいえ……

★9km地点推定
1位 中央 +0:00 (柴田3’41”)
2位 早稲田 +0:09 (工藤3’34”)
3位 國學院 +1:34 (髙石3’27”)
4位 青山学院 +1:40 (黒田3’18”)
5位 城西 +2:13 (斎藤3’26”)
選手たちは、宮ノ下へ到達しています。
このエリアでは、独特の応援スタイルが有名です。
「……カシワバラ!……カシワバラ!」
といった感じで、
選手の名前を大合唱で呼んで応援します。
実は宮ノ下の手前は比較的平坦なのですが、
選手たちは「山の走り方」になっているせいか、
意外とペースは上がりません。
だからこそ、黒田の3:18というペースが際立ちます。
そして2位早稲田・工藤と、
1位中央・柴田との差が一気に詰まります。
いよいよ首位交代となりそうです。
9-10km 3分34秒|首位交代とその裏で

★10km地点推定
1位 早稲田 +0:00 (工藤33’09”) ↑
2位 中央 +0:07 (柴田34’28”) ↓
3位 青山学院 +1:18 (黒田32’15”) ↑
4位 國學院 +1:29 (髙石33’21”) ↓
5位 城西 +1:54 (斎藤32’51”)
【区間記録:若林10km32’52″】
10kmで、ついに順位が大きく動きました。
宮ノ下の急坂を利用して、
早稲田大・工藤が中央をかわして先頭に立ちます。
ところが、
テレビ中継が「柴田vs工藤」の構図を追っている中、
その裏では静かに、黒田が射程圏内へと入りつつありました。
黒田は國學院をとらえ、3位へと浮上します。
黒田の10km通過は32分15秒。
区間記録保持者の青学OB若林さん(10km32:52)を
37秒も上回るペースです。
しかし、データ上で黒田が本当に異質だったのは、
この後の10〜15kmでした。
次の5kmでは明らかに傾斜とペースが噛み合っていないのです。
つまり黒田は、この時点でもまだ、
ギアチェンジを一段残したまま走っていたのでした。
10-11km 3分20秒|1kmで80m、5区最大の急勾配

★11km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’27″)
2位 中央 +0:25(柴田 3’45″)
3位 青山学院 +1:11(黒田 3’20″)
4位 國學院 +1:34(髙石 3’32″)
5位 城西 +2:03(斎藤 3’36″)
小涌谷(こわくだに) の踏切付近は
1kmで約80mを上る、箱根5区最大級の急勾配。
選手は思わず「手を地面につきたくなる」そうです。
それでも、黒田はこの1kmを 3分20秒。
傾斜がきつくなったのに、ペースが上がっています。
ここで、明らかに走りの質が変わりました。
データから判断すると、
黒田はこの辺りでリミッターを外したと考えられます。
11-12km 3分20秒|小涌園前、大歓声の行き止まり

★12km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’30″)
2位 中央 +0:25(柴田 3’30″)
3位 青山学院 +1:01(黒田 3’20″)
4位 國學院 +1:27(髙石 3’23″)
5位 城西 +1:42(斎藤 3’09″)
黒田はこの1kmを 3分20秒。
先ほどの急勾配に続き、ペースをまったく落としません。
さらに、この区間で目を引くのが城西・斎藤です。
11-12kmのラップは 3分09秒。
おそらく前方の國學院・髙石を視界に捉え、
一気にペースを引き上げたのでしょう。
黒田の影に隠れて目立ちませんが、
計算が正しければ、これもまた驚異的な数字です。
箱根登山電車は
小涌谷駅から強羅方面へと折れていくため、
ここから先、箱根駅伝5区のコース沿いに鉄道は走っていません。
小涌園前には正月の宿泊客がいますが、
ここを境に、沿道の観客は一気に減っていきます。
自身のメンタルとの戦いが始まります。
似たような景色が延々と続く中、
山中には森が鬱蒼と生い茂り、太陽は遮られ、
歓声による後押しはなくなります。
(なんの目印もないのでコース動画を作る際はキロ表示を入れるのに苦労しました)
さらに、かいた汗と気温低下のせいで、
体は次第に冷え込み、硬直していきます。
12-13km 3分04秒|突然のフルスロットル

★13km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’23″)
2位 中央 +0:26(柴田 3’24″)
3位 青山学院 +0:42(黒田 3’04″)
4位 國學院 +1:22(髙石 3’18″)
5位 城西 +1:33(斎藤 3’14″)
黒田のラップは3分04秒。
岡田美術館前で一部平坦な部分があるとはいえ、
1kmトータルではまだ60mほど登っています。
(文化放送、日テレ中継ともに12-13kmは3’04″とハッキリ報じていました。)
ついにネジが吹っ飛んでしまったでしょうか。
数字だけを見れば、ほぼ平地と変わらないペースです。
まだ残り8kmありますが、上り坂はあと2km余り。
どうやら黒田は、そこまでにスタミナを使い切る前提で
ペース配分を組み立てているように見えます。
かつて三代目山の神・神野大地さんが攻略法として
「芦之湯までを全力で上り切る」と語っていたのを思い出します。
青学OBということで、黒田もそれを耳にしていたのかもしれません。
とはいえ、話として知っているのと、
それを実際のレースで再現できるかは別問題です。
思えば、2年時の箱根2区も初挑戦で区間賞でした。
目の前に現れるコースに対して、
自身の走力をここまで最適に落とし込めるランナーは
箱根駅伝102回の歴史上でも類稀なる存在でしょう。
13-14km 3分49秒|連続コーナーで2位浮上

★14km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’58″)
2位 青山学院 +0:33(黒田 3’49″)↑
3位 中央 +0:42(柴田 4’14″)↓
4位 城西 +1:22(斎藤 3’47″)↑
5位 國學院 +1:23(髙石 3’59″)↓
傾斜自体はこれまでと大きく変わらないはずですが、
13kmを過ぎるとコーナーが連続してスピードが出しづらいのか、
ここまで蓄積してきた疲労が一気に出るのか、
キロ4分を超える選手が続出します。
この1kmで、黒田は3分49秒。
さすがにこれまでの異常なラップより数段落ちますが、
他と比べれば、減速幅は最小限に抑えられています。
その結果、黒田は中央大をかわし、2位浮上。
しかもその前方、約33秒先には、
首位を走る早稲田大の姿も見え始めました。
14-15km 4分06秒|上り坂の終点

★15km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 4’20″)
2位 青山学院 +0:19(黒田 4’06″)
3位 中央 +0:55(柴田 4’33″)
4位 國學院 +1:16(髙石 4’13”)
5位 城西 +1:17(斎藤 4’15″)追走
15kmに近づくと、
長かった上り坂の終わりが見えてきます。
このあたりから、中継でも
自然と「工藤 vs 黒田」という構図に
注目が集まり始めます。
※なお、この15km地点については、
看板の設置位置がズレているというか、
古い計測のものが採用されてしまっているような気もします。
感覚としては、25秒ほど手前が本当の15kmで、
その25秒分を次の16km側に加算したほうが
傾斜との整合性が納得できるものになります。
しかも山奥ですのでGPS距離計測の電波すら疑わしく、
色々と謎の多い区間です。
15-16km 3分26秒|芦之湯の鍋底

★16km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’32″)
2位 青山学院 +0:13(黒田 3’26″)
3位 中央 +1:06(柴田 3’41″)
4位 城西 +1:13(斎藤 3’28″)
5位 國學院 +1:16(髙石 3’32″)
16km地点の手前で、
コースはいったん“鍋底”へ向かって下ります。
その先の、箱根ドール美術館の駐車場入口では、
チームメイトが待っています。
ここが最後の給水ポイントです。
黒田朝日の給水を担当するのは、弟・黒田然。
兄は力水を受け取り、目前に迫る早稲田大の背中を見据えます。
そしてここから、再び少し登っていくと、
「国道1号最高地点・標高874m」の看板がお出迎えです。
16-17km 3分22秒|山頂の試練

★17km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 3’29″)
2位 青山学院 +0:06(黒田 3’22″)
3位 中央 +1:05(柴田 3’28″)
4位 城西 +1:10(斎藤 3’26″)
5位 國學院 +1:16(髙石 3’29″)
最高地点の先は一時平坦となりますが、
簡単にペースを上げられる区間ではありません。
森に包まれていた箱根山が一気に表情を変えます。
視界を遮っていた木々が途切れ、
山肌がむき出しになり、
吹き下ろしの風を、選手たちは真正面から受けることになります。
遮るもののない場所で、
疲労も、直射日光も、風も、すべてが露わになる。
箱根の山が、最後に選手へ突きつける試練のようです。
17-18km 2分47秒|下り坂開始

★18km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 2’44″)
2位 青山学院 +0:09(黒田 2’47″)
3位 中央 +1:12(柴田 2’51″)
4位 國學院 +1:36(髙石 3’04″)↑
5位 城西 +1:37(斎藤 3’11″)↓
ここから箱根5区は、
まるで天地をひっくり返したかのように、
下り坂へと転じます。
ラップタイムも一気に様相を変えました。
早稲田・工藤は2分44秒。
青学・黒田は2分47秒。
この二人は下り坂も得意なタイプで、
ここでは差が縮まりません。
中央・柴田はスピードを武器に3位をキープ。
芦之湯でいったん追いつかれそうになった
後続の2チームを再び引き離しにかかります。
國學院・髙石は、ここで城西・斎藤の前に出たようです。
長い登りで削られた脚に、
今度は下り特有の負荷が加わるため、
「楽になる」のではなく、
走りの切り替えが問われる場所となっています。
18-19km 2分33秒|トップスピード

★19km地点推定
1位 早稲田 +0:00(工藤 2’40″)
2位 青山学院 +0:02(黒田 2’33″)
3位 中央 +1:17(柴田 2’45″)
4位 國學院 +1:35(髙石 2’39″)
5位 城西 +1:46(斎藤 2’47″)
完全に下りオンリーのセクションへ入り、
各選手がこの日もっとも高いスピード帯へ突入します。
黒田はこの1kmを 2分33秒。
一気に差を詰め、ついにトップと2秒差。
声をかければすぐに早稲田・工藤へ届くような
そんな差にまで縮まりました。
19-20km 3分00秒|箱根神社の大鳥居

★20km地点推定
1位 青山学院 +0:00(黒田 3’00″)
2位 早稲田 +0:10(工藤 3’12″)
3位 中央 +1:25(柴田 3’10″)
4位 國學院 +1:42(髙石 3’09″)
5位 城西 +2:03(斎藤 3’19″)
決着は、箱根神社の大鳥居の下でした。
下りの勢いのまま、
黒田が迷いなく先頭へ躍り出ます。
本人は、
下り坂のあたりから「記憶がない」と語っています。
彼を突き動かしていたのは、
4年間積み重ねてきた努力の結晶、そして
ランナーとしての闘争本能だったのかもしれません。
20-20.8km 2分14秒。
1km換算で 2分47秒 の猛スパート。
箱根・芦ノ湖。
そのフィニッシュテープを、
黒田朝日は真っ先に切りました。

★20.8km往路フィニッシュ地点
1位 青山学院 +0:00(黒田 2’14″)
2位 早稲田 +0:18(工藤 2’22″)
3位 中央 +1:36(柴田 2’27″)
4位 國學院 +1:54(髙石 2’27″)
5位 城西 +2:12(斎藤 2’24″)
①黒田朝日 (青山学院大学4年) 67分16秒
01km 02:55 ⑦ 2’55”
02km 05:56 ③ 3’01”
03km 08:50 ② 2’54”
04km 11:55 ② 3’05”
05km 15:11 ① 3’16” +15’11”①
06km 18:33 ① 3’22”
07km 21:51 ① 3’18”
08km 25:23 ① 3’32”
09km 28:41 ① 3’18”
10km 32:15 ① 3’34” +17’04”①
11km 35:35 ① 3’20”
12km 38:55 ① 3’20”
13km 41:59 ① 3’04”
14km 45:48 ① 3’49”
15km 49:54 ① 4’06” +17’39”①
16km 53:20 ① 3’26”
17km 56:42 ① 3’22”
18km 59:29 ① 2’47”
19km 62:02 ① 2’33”
20km 65:02 ① 3’00” + 15’08”①
20.8km 67:16 ① +2’14”①
【Perfect】
5km間ラップですら一度もトップを譲らない完全制圧。
前傾が非常に深く、まるで天狗のような走り方で激坂を押し切っていった様子、
データから感じ取れるでしょうか。
正直、このラップだけ先に見ても、
凄さが分かりにくいのかもしれません。
あの5区の激坂を3:20/kmで登っていくのは、極めて異常です。
※山の好ランナーたちは通常、3:30/kmを超えるか超えないかのせめぎ合いの中で戦っています。
柏原竜二さんの時代から計測を続けてきた筆者も、
この計算結果には言葉を失ってしまいました。
▼前年(2025年)のラップタイム解析記事
②斎藤将也 (城西大学4年) 69分28秒
【登り・中盤型】
・0-5kmは抑えめ
・5-15kmの上り坂では、斎藤も史上屈指のパフォーマンス
・15-20kmでは、下り坂でルーキー髙石に抜き返されるなど、やや伸び悩んだか
・それでも69分28秒という破格の記録であり、ライバルに挙げていた「山の名探偵」にタイムで勝っている
01km 02:56 ⑫ 2’56”
02km 06:06 ⑬ 3’10”
03km 09:08 ⑭ 3’02”
04km 12:20 ⑭ 3’12”
05km 15:37 ⑧ 3’17” +15’37″⑧
06km 19:00 ⑤ 3’23”
07km 22:19 ③ 3’19”
08km 25:48 ② 3’29”
09km 29:14 ② 3’26”
10km 32:51 ② 3’37” +17’14”②
11km 36:27 ② 3’36”
12km 39:36 ② 3’09”
13km 42:50 ② 3’14”
14km 46:37 ② 3’47”
15km 50:52 ② 4’15” +18’01”②
16km 54:20 ② 3’28”
17km 57:46 ② 3’26”
18km 60:57 ② 3’12”
19km 63:45 ② 2’48”
20km 67:04 ② 3’20” + 16’12″⑩
20.8km 69:28 ② +2’24″⑦
③工藤慎作 (早稲田大学3年) 69分46秒
【バランス型〜前半型】
・
01km 02:50 ① 2’50”
02km 05:51 ① 3’01”
03km 08:41 ① 2’50”
04km 11:43 ① 3’02”
05km 15:11 ① 3’28” +15’11”①
06km 18:35 ② 3’24”
07km 22:06 ② 3’31”
08km 25:48 ② 3’42”
09km 29:22 ③ 3’34”
10km 33:09 ③ 3’47” +17’58”④
11km 36:36 ③ 3’27”
12km 40:06 ③ 3’30”
13km 43:29 ③ 3’23”
14km 47:27 ③ 3’58”
15km 51:47 ④ 4’20” +18’38”④
16km 55:19 ④ 3’32”
17km 58:48 ④ 3’29”
18km 61:32 ③ 2’44”
19km 64:12 ③ 2’40”
20km 67:24 ③ 3’12” + 15’37”②
20.8km 69:46 ③ +2’22”⑤
④髙石樹 (國學院大學1年) 70分05秒
【バランス型】
・
01km 02:54 ④ 2’54”
02km 05:59 ⑤ 3’05”
03km 08:57 ⑤ 2’58”
04km 12:05 ④ 3’08”
05km 15:28 ③ 3’23” +15’28”③
06km 18:51 ③ 3’23”
07km 22:21 ④ 3’30”
08km 26:03 ④ 3’42”
09km 29:30 ④ 3’27”
10km 33:21 ④ 3’51” +17’53”③
11km 36:53 ④ 3’32”
12km 40:15 ④ 3’22”
13km 43:33 ④ 3’17”
14km 47:32 ④ 3’59”
15km 51:45 ③ 4’13” +18’24”③
16km 55:17 ③ 3’32”
17km 58:46 ③ 3’29”
18km 61:50 ④ 3’04”
19km 64:29 ④ 2’39”
20km 67:38 ④ 3’09” + 15’53”⑤
20.8km 70:05 ④ +2’27″⑪
※FINISH直前でコース誤り、推定5〜7秒ロス
⑤小林侑世 (順天堂大学3年) 70分31秒
【バランス型】
・
01km 02:55 ⑧ 2’55”
02km 06:02 ⑧ 3’07”
03km 09:01 ⑧ 2’59”
04km 12:11 ⑧ 3’10”
05km 15:35 ⑥ 3’24” +15’34″⑥
06km 18:58 ④ 3’23”
07km 22:30 ⑤ 3’32”
08km 26:11 ⑤ 3’41”
09km 29:46 ⑤ 3’35”
10km 33:36 ⑤ 3’50” +18’01”⑤
11km 37:18 ⑤ 3’42”
12km 40:38 ⑤ 3’20”
13km 43:56 ⑤ 3’18”
14km 47:54 ⑤ 3’58”
15km 52:15 ⑤ 4’21” +18’39”⑤
16km 55:48 ⑤ 3’33”
17km 59:19 ⑤ 3’31”
18km 62:10 ⑤ 2’51”
19km 64:51 ⑤ 2’41”
20km 68:02 ⑤ 3’11” + 15’48”④
20.8km 70:31 ⑤ +2’29″⑮
⑥野沢悠真 (創価大学4年) 71分31秒
【前半型〜バランス型】
・
01km 02:54 ⑤ 2’54”
02km 06:00 ⑥ 3’04”
03km 08:58 ⑥ 2’58”
04km 12:06 ⑥ 3’08”
05km 15:34 ⑤ 3’28” +15’34”⑤
06km 19:04 ⑥ 3’30”
07km 22:37 ⑥ 3’33”
08km 26:20 ⑥ 3’43”
09km 29:51 ⑥ 3’31”
10km 33:43 ⑥ 3’52” +18’09″⑥
11km 37:27 ⑥ 3’44”
12km 40:49 ⑥ 3’22”
13km 44:08 ⑥ 3’19”
14km 48:27 ⑥ 4’19”
15km 52:51 ⑥ 4’24” +19’08″⑧
16km 56:27 ⑥ 3’36”
17km 60:00 ⑥ 3’33”
18km 63:04 ⑥ 3’04”
19km 65:47 ⑥ 2’43”
20km 69:05 ⑥ 3’18” + 16’14″⑪
20.8km 71:31 ⑥ +2’26″⑩
⑦
https://wblog.tetsukontasukiworld.jp/hakone-ekiden-2026/laptime-2
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解説に使用した元動画はこちら↓
箱根駅伝5区山登りコース紹介<選手目線を体験!>
距離・標高・給水ポイント・場所名など
https://youtu.be/ZSKKXdvHpyI?si=LvUVA99Pgoir8KM1



