立命館大学が9年ぶり11度目の女王に返り咲く形で幕を閉じた、
10/27(日)の「全日本大学女子駅伝」。
今回は、4区のラップタイム検証を行なっていく。
※当記事で使用するラップタイムのデータは、推定値を含みます。必ずしも正確ではないことをご了承ください。
【4区】
ここまで1〜3区の攻防を見てきたが、このあたりで各校のタイム差を整理しよう。
立命館大学が2区3区連続区間賞で独走体勢をキープ。
大東文化大学が唯一立命館を追えそうだったが、3区でやや後退。
2位以下から先頭が見えなくなる「1分差」のラインを超え始めた。
来年に向け3位目標の城西大学が2位まで浮上。
名城大学は3区で9位→7位まで立て直した。4位グループも見えている。
立命館vs名城 4区で初めて互角に
4区は、コース全体図の最南端から、仙台駅方面のビル街へと北上していく。
4.8kmと比較的短いため伝統的に下級生が多いが、スタートとフィニッシュの高低差が約20メートルあり、本格的な上り区間。
特に、広瀬川を越える愛宕(あたご)大橋へのカーブで急激に登っていくため、3〜4キロのラップは3分20秒台まで落ちる。
4区では、ともに大学駅伝デビュー戦同士の対決。
立命館大学は1年生の池田悠音(いけだ ちせの)、名城大学は2年生の瀬木彩花(せぎ あやか)を起用した。
5000mのベストはそれぞれ15分53秒と16分01秒でほぼ互角であり、フィニッシュタイムも僅差となった。
実は4区は、立命館・池田が先頭を走る姿を捉えているはずの1号車の映像がほとんどなく、ラップタイム計測に多くの推定を要し苦労した。
それはすなわち、後続との差を実況する必要がないほど独走していたことの裏返しでもあった。
ただ、2号車-1号車間の距離からの推定や、また結果タイムを見る限り、安定したペースで推移していたことは確かなようだ。
名城・瀬木は、立命館に3区間で約40秒ずつ負けていたチーム状況から初めて互角に持ち込み、初出場ながらレースを立て直した。
一年目に大学駅伝を走れなかった悔しさをこの舞台にぶつけた。7位でスタートし、一時は4位まで追い上げ、最終的に5位で5区エース区間にタスキを繋いだ。
元々1500mのスピードがあり、この4区は “ハマり役” と見ていたが、上りに強い面も垣間見え、次戦の富士山女子駅伝での起用区間も楽しみになってくる。
最初に浮かんだのは1区。序盤に上りがあり、スパートを活かせる。何よりその好調ぶりが、チームの雰囲気を変えられる。もしかすると、美濃加茂高校時代に全国高校駅伝1区で出遅れたことであまり本人が1区に良い印象を持っていないかもしれないが、どうだろうか。
他には単純に距離が短くスピードが発揮できそうな3区・4区あたりか。いずれにせよ、今回しっかり前を追えたことで、立て直す役割としての選択肢が増えた。
大東文化大学の2年生・蔦野萌々香(つたの ももか)が区鑑賞。前回同じ4区で区間3位からさらにパワーアップした姿を見せた。
昨年、立命館・中地、城西・石川、大東文化・蔦野の3名のみだった16分切りが今年は倍の6名となった。
二年連続で起用された4区のスペシャリスト的な立ち位置の選手も多い。
特に、城西・石川、大東文化・蔦野は今年も16分をクリア。
門脇は、昨年16分25秒から大幅アップ。中継所手前で見せた猛スパートが1秒をけずりだし、15分59秒をマーク。4年生の意地を見せ、チーム順位も4位に押し上げた。
まとめ
次回は、5区を取り上げていく予定。