★東洋大学→区間予想→第34回出雲駅伝(2022年)

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エントリーメンバー10名はこちら ※丸数字は学年

児玉悠輔④ 前田義弘④

奥山輝③ 佐藤真優③

石田洸介② 梅崎蓮② 甲木康博② 吉田周②

緒方澪那斗① 西村真周①

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1区(8.0km)

◎1区本命:児玉④ — 2011柏原竜二④、2013田口雅也③パターン
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ここは鉄板で、スターターとしての実績豊富な児玉選手がまず挙がると思います。

逆に言うと、東洋の布陣で予想しやすいのはこの1区だけで、大黒柱の松山選手がエントリーから外れていることもあり、以降の区間は様々なパターンが考えられると思います。

加えて酒井監督の起用傾向として、1区は「自己ベストを更新しているか」という今シーズンの上積みも重視していそうです。

4年生になってから10000m5000m1500mで自己記録を更新している児玉選手は「実績」と「調子」の両方で条件を満たしているように思います。

◯1区対抗:石田② — 2009柏原竜二②、2014服部弾馬②パターン
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対抗は、強いて挙げるなら石田選手でしょうか。

昨シーズンは出雲5区、全日本4区と連続で区間賞を獲得し評判通りの強さを見せてくれました。しかし、勝負区間で他校のエースと競り合うような展開は、大学ではまだ経験していないんですよね。

1区の適性云々というよりは、他校のエース級とヨーイドン!で争うことで得られる経験値のほうを取って考えてみました。

▲1区大穴:佐藤③ — 2012設楽啓太③、2018相澤晃③パターン
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直前のMDC東京1500m(9/17)が欠場、早稲田大競技会5000m(9/24)でのタイムが14分12秒で学内9番手でした。

決して悪いタイムではありませんが、本来の実力からすると少し調子を落としているのかなという印象で、今回の予想では本命以外での登場が多めとなりそうです。

もしかしたら他の選手と違う目的・目標タイムで出場していて、記録会の結果に関係なく当日は起用されるということも十分あると思います。
(過去に、4年時の今西選手が記録会で他の選手に先行されていても、問題なく定位置の出雲5区で起用されたことがありました。しかも当日は区間2位でバッチリ走れていました。)

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2区(5.8km)

◎2区本命:甲木② — 2014口町亮②、2016中村駆①、2021奥山輝②パターン
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5.8kmという距離だと、スピードタイプの甲木選手も候補に入ってきます。

関東インカレで過去二年1500mに出場しているように、大学入学以降も中距離のイメージが強い選手でした。しかし今シーズンは、7/3のホクレン士別大会3000mで東洋大学記録となる7分59秒をマークしたことを皮切りに、先日の9/24の早稲田大競技会でも13分55秒で自己ベストを更新。ついに5000m13分台の大台に乗りました。

また今年2月の男女混合駅伝に起用されていたことと、何より今回出雲駅伝のエントリー10名に入っていることなどを見るに、監督は今後甲木選手をトラック専門としてではなく、駅伝も経験させていく計画なんだなと感じました。

先述の早稲田大競技会では、起用の可能性がかなり高そうな奥山選手、児玉選手に次いで、最後のスパート対決を制し学内3番にも入っていますので、エントリーされているからには今の調子で外す理由が見つからないようにも思えます。

ただ東洋は、酒井監督采配下では「出雲専門」という立場の選手は過去にいたことがありません。出雲に起用された選手は、ほぼ100%四年間のどこかで全日本か箱根で起用orエントリーされています。また、それらを見据えて出雲駅伝のメンバーを選んでいるともいえます。

つまり今回起用されるのだとしたら、今後は出雲以外の三大駅伝も見据えていく、すなわちトラックでも10000mまで距離を伸ばしていく形になるのではないかと予想します。すでに才能を発揮している1500m〜5000mのトラック種目のほうとどう両立していくのかは、気になるところです。

2区対抗:緒方① — 2010設楽悠太①、2013服部弾馬①パターン
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10000m28分36秒という、全学年含め学内トップのタイムを引っさげて入学してきました。千葉県高校駅伝で1区10kmを29分15秒、トラックでの開催となった関東高校駅伝1区10000mを29分14秒で走っており、高いレベルで安定した成績を残しています。

また今年6月の全日本選考会で留学生や日本人エースが集う10000m最終4組に起用されていたことからも、期待の大きさがうかがえます。

10kmを苦にしない緒方選手をわざわざ最短の2区5.8kmに選んだ理由は、ただ1点。先日9/24の早稲田大競技会で、3000mまでのペースメーカーを務めていたからです。

おそらく学内選考会の位置付けであった5000mの記録会を3000mで辞めたのは、出雲を見据えた場合に5000mが「短すぎたか、長すぎたか」のどちらかだと考えることができます。
前者ならアンカー6区、後者なら最短の2区に向けての調整でしょうか。
(5.8kmに向けた調整としては、レースペースで5000mを走り切るのは負荷が大きすぎた?)

さらに、過去2018年に直前の記録会10000mでPMをしていた2年時の西山選手が結局2区での起用でしたので、安直ですが今回もPM→2区では?と考えました。

▲2区大穴:児玉④ ・・・2011川上遼平④、2012市川孝徳④パターン
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仮に1区を石田選手にした場合は、2区児玉選手で前半から一気に畳み掛けてみても面白いかなと思います。

出雲1区の8kmという距離だと、ほぼ団子状態のまま中継所へなだれこんでくるというケースも珍しくありません。その場合は、2区でも2〜6人程度の集団走となるため、状況的には2区でもスターターとしての適性が活かせるのではないかと思います。

※前回出雲2区経験者の奥山選手も勿論考えましたが、酒井監督は出雲2区での二年連続起用の例がありません。実際、5km区間で使うしかなかった去年と、スピードを武器にしながらハーフマラソンでも63分台を持っているという今年では立場が違ってきています。本人としては去年のリベンジという気持ちがあるかもしれませんが、<3年生+出雲経験者>であることを考えると今回はもう少し長い区間で見たい気がしています。

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3区(8.5km)

◎3区本命:石田② — 2011設楽悠太②、2014服部勇馬③、2015服部弾馬③パターン
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エース区間・3区の本命は、思い切って石田選手で考えてみました。

この選手がもう一段階ステップアップして「大エース」へと成長していくためには、1区対抗の項でも述べたように、あとは他校のエースとの競り合いを経験することだと思っています。

出雲3区のコースというのは、1km過ぎに直江交差点を左折してからは、しばらく北上が続きます。地形的に山脈からの北風を遮るものがなく、向かい風を正面からもろに受ける形となってしまうため、タイムが伸びづらい難コースとされる要因にもなっています。

しかし石田選手は前回の出雲駅伝5区の逆風の中、誰かを風避けにするような素振りもなく、風をものともせず一人グイグイ順位を押し上げていました。3区の逆風にも十分対応できるのではないかと思います。

◯3区対抗:前田④ — 2016服部弾馬④、2018山本修二④パターン
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前回大会で同じ出雲3区を経験しています。
190cmと非常に高身長の選手ですが、細身の高身長ではなく、入学時から既にがっちりとした体型で筋力もありそうでした。向かい風でも走れるタイプの高身長ランナーと思っていいと思います。

本来ならばこの選手を3区本命に挙げたいところでしたが、8月末に学生としては異例となる夏の北海道マラソンに、女子30kmまでのペースメーカーとして出場しており、現在の疲労度が未知数です。

男子のフルマラソンと女子ペースの30kmという違いこそあれど他のマラソン組と同じように出雲は回避するものと思っていましたが、しっかりと出雲駅伝のエントリーメンバー10名に入ってきました。あれから一ヶ月でもう駅伝を走れる状態にまで仕上げてきているというのは、主将としての意地を感じました。

前年度の箱根9区を見ていて、何か『働き場所を見つけた』ような走りで、やはりタイプ的に復路が合っていたんだなという発見がありました。最終学年でも「復路キャラ」として行くのであれば、今回の出雲は前半の主要区間を下級生に譲ってもいいのかなとも思っています。

もちろん3区起用となれば、どんなレースコンディションでも対応して、しっかりとゲームをまとめてくれそうです。

▲3区大穴:佐藤③ — 2010川上遼平③、2017山本修二③、2021前田義弘③パターン
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近年の東洋大学においては『困ったときの真優選手』と言ってもいいくらい貴重な働きをしてくれている存在です。昨年の全日本大学駅伝では児玉選手から代わって1区を走りました。石田選手もしくは前田選手が万全でない場合には、佐藤選手も入ってくるのかなと思います。5000m13分台、10000m28分台、ハーフマラソン62分台と、どの距離でも万能の選手です。

本当に1〜6区のどこを走っても良さそうなので、もし彼を起用できるのであれば区間配置にも一気に幅が出ると思います。
裏を返せば、それだけ出走区間の予想が難しい選手ということでもありますが(笑)

個人的に、なんとなく走り方や風格に山本修二選手の面影を感じるんですよね〜。ということで3区、似合いそうです。

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4区(6.2km)

◎4区本命:前田④ — 2011田中貴章④、2018小笹椋④パターン
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先ほど「復路キャラ」でいくなら下級生に前半の勝負区間を譲っても良いのでは?という話を書きましたが、だとすると前年の3区から4区へスライドするのがいいのかなと思います。

3区4区の中盤を石田選手→前田選手で取りこぼさずレースを進められれば、チームの目標である3位以内に入れる確率もかなり上がってくるかと思います。

過去には、前年の復路9区で区間賞を獲得していた4年生・田中貴章選手、10区で区間賞を獲得していた4年生・小笹椋選手など『いぶし銀』の選手が起用されるパターンがありました。

出雲4区は、前半1・2・3が終わってある程度チームが絞られた後に、ライバル校との選手層の差が如実にあらわれてくる区間であると考えています。4区まで前田選手が残せるような区間配置ができればかなり心強いです。

◯4区対抗:西村① — 2010定方俊樹①、2016渡邉奏太①、2017吉川洋次①パターン
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小柄=逆風に強い
クロカン走れる=アップダウンに強い
ということで、起用されるとすれば4区あたりが合っていそうです。

5月の関東インカレでは5000mに起用され、九嶋選手、同級生の緒方選手らとともに決勝まで進んでいます。

8月には、蔵王坊平クロカンの6kmジュニアの部で優勝しています。夏合宿の間も練習が積めているのは、好材料です。またこの大会は箱根5区山登り・6区山下りの登竜門的な大会と見ることができるので、今後どのような選手に成長していくのか期待が膨らみます。

出雲駅伝を考えた場合には、
(9/17) プレミアムゲームスin酒田5000m 14分37秒
(9/24) 早稲田大記録会5000m 14分11秒
と、合宿の疲れがありつつも徐々に調子を上げているように見えますので、継続して練習ができていけば近いうちに駅伝デビューが期待できそうです。

出身の福岡県・自由ケ丘高校は、近年1年生で箱根往路を走れる選手も輩出している勢いのある学校ですので、先輩たちに続け!ですね。

▲4区大穴:緒方① — 2010定方俊樹①、2016渡邉奏太①、2017吉川洋次①パターン
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西村選手と同じパターンで、緒方選手の4区もイメージできます。

1年生ながら10000mを28分台で走れる、クロカンも苦にせず走れる、というあたりがなんとなく入学当初の渡邉奏太選手や吉川洋次選手を思わせます。

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5区(6.4km)

◎5区本命:奥山③ — 2011市川孝徳③、2016野村峻哉③、2018今西駿介③パターン
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仮に5区まで接戦となった場合に、中継所手前のラストスパートが利くとその後の6区アンカー対決がグッと有利になるんですよね。

MDC東京大会でのスパートをまだ見ていない方はぜひ見てください!最後にガーッと出てきます
MDC2022東京】東洋大学長距離チームを新田コーチがペースメイク! – YouTube

↑のスパートをぜひ出雲で見たいです。この5区が安定しているとレースが尻すぼみにならずに、ビシッと締まる感じがします。

本当はコース最終盤の下り坂で一気にラストスパートをかけられる4区で起用したいとも考えたのですが、他に4区候補が多すぎるのと、近年5区の重要度がどんどん増しているなと感じたので、あえて絶好調の奥山選手を当てはめてみました。

◯5区対抗:石田② — 2013服部勇馬②パターン
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石田選手が本来の調子でない場合、既に去年経験している5区で再び起用される可能性もあります。たとえ不調でも、繋ぎ区間では間違いなく他校の脅威になると思います。

▲5区大穴:吉田② — 2012高久龍②、2015野村峻哉②、2017今西駿介②パターン
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ここまで名前を挙げていませんでしたが、吉田選手も面白い存在です。

前年度の箱根駅伝では1年生ながらエントリーの16人に入りました。一年目からハーフに対応できていたということでしょうか。

今年夏の男鹿駅伝では、アンカー7区で逆転優勝の立役者となりました。とびきりの笑顔でゴールテープを切っている写真に、心を掴まれたファンは私含め多いのではないかと思います(笑)

さらに、夏を越えても勢いはとどまることを知らず、
(9/17) MDC1500m 3分47秒 (←3分58秒)
(9/24) 早稲田大記録会5000m 14分03秒 (←14分13秒)
二週連続で自己記録を更新しています。

今回は、インカレから活躍している選手を優先させたことや、出雲でなくとも長い距離になってからでもチャンスがありそうかなというのがあって大穴としていますが、ネクストブレイクの予感がしますね。

出雲駅伝のエントリー10名で最も多く入ったのがこの二年生たちなんですよね。下級生からの突き上げがあると、チームとしても勢いがつきそうです。

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6区(10.2km)

◎6区本命:梅崎② — 2011設楽啓太②、2017渡邉奏太②、2018吉川洋次②パターン
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前年からの成長度という点では、今のところ梅崎選手がダントツかと思います。

今年の正月の箱根駅伝7区の時点ではまだ、入りの3kmが9分かかってしまうなど、少しおっかなびっくり走っている感がありましたが、直後の3月の学生ハーフでは63分台でまとめており、やはり1年生で起用されるだけの物は持っているなと感じさせられました。

何より一番の転機は5月の関東インカレのハーフマラソンでの表彰台、準優勝でしたよね。ここで本人も自信をつけたのではないかと思います。

また『暑さに強い』というのも、出雲駅伝では大きな武器になってきます。関東インカレもそうですし、全日本予選会では日の残る時間帯の1組に起用されました。出雲のアンカー6区は時間でいうと15時前後で、熱をたっぷり含んだ路面からの照り返しがきつい時間でもあります。

起伏のあるこの出雲6区のコースを単独走で上手くまとめられるようであれば、一気に箱根駅伝の3区4区あたりまで視野に入ってくると思います。梅崎選手の二年目の大学駅伝に期待です。

◯6区対抗:前田④ — 2019定方駿④パターン
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マラソン練習でしっかりと走り込めている前田選手も、アンカーを走れそうです。

ペース的にも、場面によって2分40秒台を要求されるような短い区間よりは、2分55秒〜3分少しあたりで走れる10km区間のほうが、元々の適性と今の状態を考えても合っている気がします。

主将によるアンカーは近年だとこんな感じで↓
2013年度 設楽啓太選手
2014年度 田口雅也選手(※台風により大会中止)
一応なくはなさそうです。

▲6区対抗:緒方① — 2014竹下和輝①パターン
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1年生ながら10000mを苦にしない緒方選手なら、将来を見据えてアンカーでの起用も考えられます。

実現した場合は、早稲田大競技会で3000mまでのペースメーカーを務めた理由の答え合わせとなりそうです。

 

 

 

 

 

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