駅伝の神様、試練与えすぎじゃないでしょうか😊💦【東洋大学14位】レース後の感想など – 第55回全日本大学駅伝 (2023年)

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◆東洋大学の全日本大学駅伝の結果は……
全8区間を走り切り、総合14位でした。いや~去年の出雲駅伝9位の時のような負のスパイラルを、さらにもうひと回りふた回り大きくしたような試練がふりかかってきていましたね。(駅伝の神様、もっとお手柔らかにお願いします……😊💦)

そして来年の出場権が自動的に得られるシードは8位まで。つまり来年度、東洋大学は毎年6月頃に行なわれる関東地区選考会からのスタートということになりました。非常に激戦区であるほか、これがまた夏前ということで非常に波乱のレースなので、できれば通りたくない道なのですが。致し方なし。

シード校は、前評判の高かった4強(駒澤/青学/國學/中央)はさておき、その下が留学生を擁する4校(城西/創価/大東/東国)なんですよね。留学生ランナーは非常に強力ですが、そうしたチームは日本人選手をどんなに手塩にかけて育てても9人しか箱根駅伝に出せない。こちらは10人経験させられます。彼らは彼らで、日本人選手の育成システムがちゃんと機能しているのか、気付くのがワンテンポ遅れるという難しさと戦っています。そこに入っていけるかどうか。

区間成績はこちら

◆今大会のコースコンディション
前年に比べかなりの高温でした。東洋大学には競歩やマラソンのノウハウがあり、「暑熱対策」に関しては最先端を行っていると思っていたので、なぜに東洋ばっかり大打撃を受けるのか、納得いかんのですが……。なんかまるで、各区間で引いたカードに書かれている効果を受けなきゃいけなくて「●●位より後方のチームに■■■のダメージ!(ぎょえー)」って東洋がことごとく食らってる、みたいな展開でしたよね。序盤2位とか3位を走っていたチームですら、一度シード圏外に落っこちてきてしまうと途端に苦戦しているように見えました。

◆東洋大学に、一体何が起きた!?
ファンはもちろん、チーム内でもやはり松山選手が起用できないという動揺があったのかなぁ。特に小林選手・緒方選手あたりは、本来ならまず脇を固める存在として実績を積ませたいところを、もういきなり大黒柱級の働きを求められてしまっているんですよね。もちろん一度うまくいってその後ぽんぽんと続く可能性もあるので、期待して任せること自体は間違っていないはず。彼らは今、ちょうどその本来必要だった経験とか実績をかなり荒治療気味ではありますが積んでいるところなのかもしれません。それだけに6区村上選手が、昨年も6区を経験している者として、チーム唯一の区間1桁となる区間6位タイで一時的にでも流れを変えてくれたのは、救われました。(そうそう、こういう走りができるんだって!)

◆事前の予想タイムについて
上記の事項により、予想を大幅にオーバーしました。当日の気象条件によってある程度「タイム」は前後しても、「区間順位」——つまり他校との力関係ではそこまで大きなブレがないだろうと考え、どちらも併記するようにしてはいたんです。それにしても今年は本当に、何が起きたのやら、の連続でした。

その予想タイムについても、非常に好条件だった前回大会をもとにして作っていたものですから、誤差が大きかったんですよね。私自身、「過去データと偏差値換算を使ったシミュレーション」の1年目だったということで、そこは真摯に受け止め、精度を上げていければと思います。例えば算出方法に1大会分だけでなく過去数年平均を使うとか、色々とやりようがあると思います。まぁでもどれくらいまで凝るかは、私の持ち時間と相談して決めます。

◆まさかの7000アクセス超え
【区間エントリー発表&分析】東洋大学・第55回全日本大学駅伝(2023)
有難いことに、予想データの記事は大会当日の今日だけでも7000アクセス以上閲覧いただきまして(投稿した昨日時点でのアクセス分も合わせるとそれ以上)、非常に驚きでした。皆さんに「データで見る駅伝」というものに興味を持ってもらえるきっかけを作れたのかなと思うと、そこは個人的に収穫だった点です。

◆全日本14位からの巻き返し
14位というのは私が駅伝観るようになったここ10年ぐらいでは前例が無いので、ここからどう立て直していくのかなというのは、注目していきたいところです。

◆こんな時こそ!という東洋大学ファンの心根に脱帽
SNS上での東洋ファンの方々のポジティブなコメントに、心が救われました。それと同時に、ショックな気持ちが無いことは無いはずでしょうから、どうか選手たちへ向ける温かい気持ちと同じように、ご自身の気持ちも労わってあげてくださいね。これはもう同じファンとしてを超えて、同じ人類としての願いです。

もちろん「ちぇっ、なんだよー」という心境も尊重します。私だって気持ちとしては箱根駅伝2区20kmの戸塚の坂で3分15秒まで落ちそうなのを3分10秒で踏みとどまった感じです。だから、めちゃくちゃわかるんです。でもそこを乗り越えると21kmではいったん下りが来るし、沿道にいるサポートメンバーの顔が見える位置に来る。(2019年95回大会の2区山本修二選手に対する酒井監督の声掛けより)

◆年々変化を恐れずチャレンジしているからこそ
プロ野球に、北海道日本ハムファイターズというチームがあります。このチームは過去にあの大谷翔平選手が在籍していたこともあり、何度か優勝もしていますが、お世辞にも大金持ちの球団とは言えません。しかし、上手いことやりくりしていて、しかも常に新しいことに挑戦しているのです。

他の球団が選手を多数獲得して振るいにかける育成方法を採用する中、ファイターズだけは、70名選手を抱えられるところを65名程度に絞り、コーチの指導や出場機会が選手らに行き渡るようにしていました。その少数精鋭で育てた選手たちの活躍を中心に、チームは2016年にリーグ優勝を果たしました。しかし上手くいくことばかりではなく、そのあと低迷期に入ると今度は一転、この方法に見切りをつけて方針転換しています。変化を恐れない点ではブレていません。

現在ファイターズでは日本球界ではいち早く、アマチュアスポーツにおいて埋もれやすい「早生まれ」の選手を、数ヶ月分の不利を考慮に入れた上で評価するということを始めているそうです。これもまだ上手くいくかはわかりませんが、将来的にこれが野球界のスタンダードになっていく可能性もあるのです。

ちょうど東洋大学も、現在は部員数が40名前後と他大学に比べると少なめになっていて、目が行き届くような指導方針にどうやらなっているようです。

◆酒井監督の視線の先には、何が見えている
勝利と育成、本音と建前、など、色々と両輪でやっていかなければいけないところもあるでしょうから、その苦労は想像し切れないほどだと察します。

私が見た、数年前の監督トークバトルでのワンシーン。チームビルディングに必要なことという質問で、他の男性監督さん達のロジカルな回答にも頷けたのですが、酒井監督だけがフリップに『共感』という——ロジカルではなくハートの部分——全く違う方向性のワードを書かれていたのが、私はすごく印象に残っています。

指導力、と聞いて従来想像するのは「みんなを同じ方向に向かせる力」。けれど共感込みの指導力というのは、言うなれば「別々の立場にいる人の視界を想像しおもんぱかる力」。前者が古いわけではありません。どちらも必要なのです。しかし今まで後者があまりにも軽視されてきた。男性社会では特にそうなのだと思います。マンモスを狩る時に怪我をした人がいたとして、「え~痛そう〜大丈夫〜?😭」なんて共感していたらやられてしまいますからね。長い年月を経て、ようやっと注目され始めた考え方なのです。

彼は今、この令和の新時代に必要となってくるであろう『何か』をやろうとしているんだと思います。そしてそれは、学年が入れ替わるとまた作り直さないといけなかったり、なかなか一朝一夕には出来なかったりするものなのでしょう。

(一応私なりの答えはあります。それは “駅伝むすめバンビ” という私の小説に登場するキャラクター “立花監督” の言動として、表現しています)

◆4年で完成させていく育成方針
シューズによる負荷が大きくなっているのもあってか、身体ができるまであまり1年目から無理をさせない、4年生に向けて完成していくような方針に移行させつつあるというのは伝わってきます。
(わりあい現在苦労しているのが、1年生の時から頑張り過ぎなくらい頑張ってくれていた選手たちというのもありますしね💦)

◆原点回帰とかそういう運の巡り
今年の東洋大学OB、卒業生周りのニュースは忙しいです。設楽兄弟が10年ぶりにチームメイトとなった他、東洋大学に山本浩之コーチ、大西智也コーチ、松永大介コーチが就任したり、松崎竜也さんがディレクターとしてPV制作を請け負ってくれていたり。色々な場所で咲いていた花から、綿毛がふわふわと回帰してきている。そんな巡り合わせの年になってきています。我々ファンもある意味、鉄紺の走りからもらっているパワーを、応援に変えて、また選手たちに送るということをやっているのだと思います。今までもですが、特に今こそですよね。

(2023.11.08追記) 全日本大学駅伝の「結果まとめと「データ解析を実施しました↓


コメント

  1. 水色かあさん より:

    偶然に、この記事にたどり着き、東洋大学を陰ながら応援している、おばさんファンにとって、嬉しいです。冷静に、分析して、そして応援する。今の時代、何でもかんでも、感情的にコメントをする方が多い中、とても嬉しいことでした。

    (その一秒を削り出せの)ワンフレーズがいつまでも出てくる大学はありませんものね。

    また、陰ながら応援して行きたいと、思っています。箱根が楽しみです。

    • 水色かあさん様、コメント有難うございます。
      歴戦のファンの方に届いて読んでいただけて私も嬉しいです。
      (参考までに、何がきっかけでこの記事にたどり着いたか、もしよろしければ教えてください!)
      気持ちは伝わると信じています。冷静に、そして前向きに応援していきたいですね。

  2. 新都心まで飛ばせ君 より:

    最近読み始めて参考にさせてもらっています。ハツコメです。個人的には変化を起こしたが失敗して崩壊した感覚です。他大の高速化の波に取り残され沖をプカプカ浮かんでたけど流石にまずいと思い追い始めたが引き波にさらわれて前に進めない感じですかね。別にプカプカ浮かんでたわけでわないでしょうが、外部から見るとそう見えてしまう。(タイムが伸びてないから)私自身は箱根のシードも落としても仕方ないと思っています。ただ、ポジティブな駅伝にしてくれればいいです。いつか自分たちが駅伝を支配するチームがまた見たいですね。

    • 新都心まで飛ばせ君様、コメント有難うございます。
      最近見つけていただいたとのことで、嬉しいです。Twitterのほうでも(ですよね?)有難うございます。
      なるほど、まさに例えのようにそんな感じかもしれませんね。
      箱根駅伝前と大会当日で、また収穫を積み重ねていけるといいですね。

  3. タイホウエクササイズ より:

    お疲れ様です。管理人様。
    かなり時間がたってからのコメントになりごめんなさい。
    まず松山君、熊崎君、小林君、梅崎君全員心配です。全員本来の走りができなかったので。
    緒方君に関しては直前のおそらく区間変更、西村君に関してはレガシー組は早稲田の二人も厳しかった点を踏まえると仕方なったのかな、と思います。そうなると村上君の強さの価値が高まりますね。
    ただ吉田君が28分台をだしたり明るい材料は少しずつあります。
    上尾ハーフに緒方君、九嶋君、菅野君、岸本君、奥山君がエントリーされてる事も判明してます
    (上尾ハーフ、tecnetで調べたら出てきます)

    箱根本番に向けてはどうしても例年以上に「耐える往路」になる気がしています。1区がどれだけうまく滑り出せるかな気もしています。何とか調整してほしいと思っています。
    私は1月2日を心して待ちたいと思います。

    P.S他の趣味もあるのに全日本のあと胃酸過多で、2、3日食べ物が喉を通らなく苦しみましたが、覚悟はできました。
    それに駒澤さんも藤田コーチが就任してから次の全日本優勝まで5年はかかりました。山の神登場からもうすぐ15年、私も5年は待ちます。

    • タイホウエクササイズ様、コメント有難うございます。
      全日本直前での「1区熊崎選手」との読み、お見事でした。
      上尾ハーフの情報もありがとうございます。
      ホームページ(https://tetsukontasukiworld.jp)
      のほうにも反映させておきました。

      私も気持ちの整理に時間がかかりました。変わらずのコメントありがたいです。
      なるほど。駒澤大のV字回復劇は、藤田コーチ加入後の5年とも重なるのですね。
      昨年あたりから東洋も新しい体制になってきていますし、辛抱強く待ちたいところですね。

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