タイム解析・第99回箱根駅伝2023【17位 日本体育大学編】

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日本体育大学のチーム詳細

日体大のユニフォーム:
白地に、水色の帯上に白字で『日本体育大学』



日体大の監督:
玉城良二(たまき りょうじ)監督

検索ヒット数からみる日体大の注目選手:
(選手名で目立った検索はありませんでした、大学名の検索が多いようです)






日体大の主な大会成績結果

2022年10月 箱根駅伝予選会:5位(10位圏内=予選通過!)
2022年10月 【出雲駅伝】:不出場
2022年11月 【全日本大学駅伝】:不出場
2023年01月 【箱根駅伝】:17位
2023年06月 全日本大学駅伝関東地区選考会:15位(7位圏外=予選敗退)

2023年10月 箱根駅伝予選会:?位

日体大の箱根駅伝タイム解析(2023)

このブログに掲載するデータには、映像資料等をもとに鉄紺忍者( @tetsukontasukiw )自作のラップタイム試算ツールLAPTAによって算出した「推定タイム」を含みます。基本的な整合性の確認は行なっておりますが、正確性を保証しているわけではありません。このサイトによって生じた損害・トラブルに付きましては一切責任を負えませんのでご自身の自己責任で閲覧いただきますようお願い申し上げます。

日本体育大学 1区 山崎 丞(1年)
個人 全体平均
05km 15分19秒 ①
15’19 ①
15分19秒
15’19
10km 30分19秒 ①
15’00 ①
30分19秒
15’00
15km 44分59秒 ①
14’40 ①
44分59秒
14’40
20km 59分15秒 ⑫
14’16 ⑫
59分25秒
14’26
スパート 3’53 ⑨ 3’55
21.3k 63分08秒 ⑨ 63分20秒
新潟・中越高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:38.33 / 63:18 ⑬
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:05 / 63:31 ⑯

・日本体育大学。75年連続75回出場の伝統あるチームです。
・1区は1年生の山崎選手が起用されました。1年生としては珍しく10000mで28分38秒と素晴らしいタイムを持っています。
・20km通過の12位は、前1秒差くらいに何チームもいる状況で実質的には3位グループにいたと考えていいでしょう。
・集団から遅れずに最後まで行きましたし、最後も区間1桁で持ってきました。
・ちょうど次の2区の藤本選手が入学してきた頃のような、日体大に楽しみな選手が現れました。






日本体育大学 2区 藤本 珠輝(4年)
個人 全体平均
05km 14分19秒 ⑭
14’19 ⑭
14分16秒
14’16
10km 29分06秒 ⑮
14’47 ⑰
28分52秒
14’36
15km 44分17秒 ⑮
15’11 ⑭
44分01秒
15’09
20km 58分47秒 ⑬
14’30 ⑦
58分49秒
14’48
スパート 9’24 ⑪ 9’29
23.1k 68分11秒 ⑫ 68分18秒
兵庫・西脇工業高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:08.58 / 67:47 ⑧
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:02:13 / 67:47 ⑧

・怪我明けで状態が心配された、日体大のエース・藤本選手です。
・前半は東京国際・丹所選手、城西・斎藤選手らとの並走でペースを作っていき、15km権太坂の頂点からの下りでペースアップしました。
・タイムは前年67分21秒→今年68分11秒と50秒ダウンでしたが、さすが万全ではない中でもしっかり経験でカバーしてきました。






日本体育大学 3区 漆畑 徳輝(3年)
個人 全体平均
05km 14分16秒 ⑪
14’16 ⑪
14分15秒
14’15
10km 28分42秒 ⑩
14’26 ⑪
28分42秒
14’27
15km 43分35秒 ⑪
14’53 ⑥
43分47秒
15’05
20km 58分37秒 ⑩
15’02 ⑨
59分02秒
15’15
スパート 3’59 ② 4’04
21.4k 62分36秒 ⑩ 63分06秒
山梨・山梨学院高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:59.31 / 63:31 ⑭
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:35 / 63:55 ⑮

・序盤10kmまでは全体平均と同じペースで推移しましたが、そこからさらに後半の走りも素晴らしかったです。
・10km以降、下り坂で勢いをもらえるエリアが終わり海岸線に入った後も、3分前後ペースで維持できています。
・4年生を迎える新チームでは、エースとしての活躍が期待できるでしょう。






日本体育大学 4区 分須 尊紀(2年)
個人 全体平均
05km 14分47秒 ⑯
14’47 ⑯
14分31秒
14’31
10km 30分20秒 ⑱
15’33 ⑲
29分29秒
14’58
15km 46分33秒 ⑳
16’13 ⑳
44分30秒
15’01
20km 62分58秒 ⑳
16’25 ⑳
60分00秒
15’30
スパート 3’08 ⑳ 2’59
20.9k 66分06秒 ⑳ 62分59秒
群馬・東農大二高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:59.82 / 63:33 ⑮
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:22 / 63:12 ⑭

日体大は1区ルーキーの活躍、2区エースの復帰、3区の次期エースの本領発揮と、三つ上手く流れてきましたが、ここからの4区・5区でだいぶロスしてしまいましたね。
・ハーフ64分台の選手が、途中から3分ペースを大幅にオーバーしているのは、脱水症状や痙攣など、何かしらのアクシデントがあったと考えられます。
・新チームでは、3年生キャプテンに任命されました。チーム再建とともに自身のリベンジも果たせるか、注目していきたい選手です。







日本体育大学 5区 吉冨 純也(3年)
個人 全体平均
05km 15分57秒 ⑫
15’57 ⑫
15分54秒
15’54
10km 34分47秒 ⑪
18’50 ⑫
34分40秒
18’46
15km 54分49秒 ⑮
20’02 ⑯
54分07秒
19’27
20km 74分05秒 ⑲
19’16 ⑳
70分53秒
16’46
スパート 2’26 ⑲ 2’20
20.8k 76分32秒 ⑲ 73分13秒
福岡・大牟田高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
29:18.77 / 73:20 ⑫
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:05:32 / 75:58 ⑲

二年連続で5区山上りを任されました。10kmまでは平均ペースで来ていました。
・しかし、15-20kmは芦ノ湖への下りコースが含まれているにもかかわらず、上りよりもタイムがかかってしまっています。この異様な落ち方は普通では考えられません。
・10km以降からすでにペースダウンが見られますが、特に登りが終わってからの15km以降が特に怪しいです。ここも、何かアクシデントが起きた可能性が高いです。
・芦ノ湖まで、なんとかタスキは運ばれました。日体大は4区→5区と連続で本来の走りができなかったのが、悔やまれるところですね。






日本体育大学 6区 内山 峻一(3年)
個人 全体平均
05km 16分34秒 ⑤
16’34 ⑤
16分47秒
16’47
10km 29分48秒 ⑥
13’14 ⑩
30分04秒
13’17
15km 43分31秒 ⑭
13’43 ⑭
43分37秒
13’33
20km 57分29秒 ⑩
13’57 ⑦
57分51秒
14’14
スパート 2’24 ⑨ 2’26
20.8k 59分53秒 ⑩ 60分17秒
鹿児島・出水中央高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
30:28.45 / 62:51 ⑲
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:06:04 / 60:29 ⑬

・3区終了まで11位で来ていましたが、そこから4区で16位、5区で18位となってしまった日体大。
・復路ではズラリと上級生が並びました。内山選手は3年生にして大学駅伝デビュー戦。
・伝統的に、日体大は下りの選手をきっちりと用意してきますね。10000mの記録は30分台ですが、3年生になるまで下り専門で大事に育てていたのだと思われます。
・勘ですが、この選手は登りも行けるタイプの6区でしょうか? 下りで稼ぐというよりは、最初の登りと、下り切ってからで結構稼いでいます。東洋大学の九嶋選手と似ています。(なんか奇しくも同じ学年で、同じ九州ですけど)
・山梨学院の髙田選手と、繰り上げ一斉スタートからずっと抜きつ抜かれつで、最後も同タイムでフィニッシュしていますので、お互いのペースに引き寄せられての結果かもしれません。






日本体育大学 7区 名村 樹哉(4年)
個人 全体平均
05km 14分37秒 ⑬
14’37 ⑬
14分34秒
14’34
10km 29分56秒 ⑭
15’19 ⑭
29分51秒
15’17
15km 45分03秒 ⑩
15’07 ⑧
45分07秒
15’16
20km 60分06秒 ⑪
15’03 ⑩
60分14秒
15’07
スパート 3’56 ⑨ 3’59
21.3k 64分03秒 ⑪ 64分13秒
三重・四日市工業高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:46.96 / 63:27 ⑦
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:41 / 64:01 ⑪

・持ちタイム的にかなり良い名村選手が、復路7区まで残っていました。
・気温が上がり、二宮押切坂の登りも現れる10-15kmをほぼ3分ペースでクリアしています。二年前の2年時に23kmある10区を走っていますから、さすがスタミナがあります。
・山梨学院の石部選手とずっと並走する形になりました。最後は5秒先行を許しましたが、その差にとどめたことで次の8区も走りやすくなったと思います。
・往路の後半で苦しんだ日体大でしたが、まずは復路のスタートを6区区間10位、7区区間11位と、着実に進めていきました。






日本体育大学 8区 廣澤 優斗(4年)
個人 全体平均
05km 14分59秒 ⑲
14’59 ⑲
14分46秒
14’46
10km 30分13秒 ⑭
15’14 ⑫
30分00秒
15’14
15km 45分31秒 ⑭
15’17 ⑭
45分17秒
15’17
20km 61分06秒 ⑫
15’35 ⑤
61分09秒
15’52
スパート 4’22 ⑫ 4’22
21.4k 65分29秒 ⑫ 65分31秒
栃木・真岡(もおか)高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:49.47 / 64:56 ⑦
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:53 / 65:22 ⑪

・予選会でチーム内2番手でゴールし、往路起用も考えられた廣澤選手が、復路8区に登場しました。

・8区は15.6kmから遊行寺坂という急激な上り坂がありますが、15-20kmを15:35、区間5位相当でカバーしました。

・その加速を見ると、ちょっと序盤抑えすぎだったのかなとも思えてしまいますが、今回の箱根駅伝で徹底して序盤抑えて走っていた山梨学院大学が、6区7区に続き8区でも並走していたことが影響したかもしれませんね。

・往路で苦しいアクシデントがあった日体大としては、好影響でもあったかもしれません。これだけ長い時間並走しているということは、玉城監督も「一緒に行こう」という指示を出しているということなのでしょう。本来ならもう少し前に行けたのかもしれませんが、ここまできたら、しっかり最終学年で確実に走って卒業させようという親心を感じます。






日本体育大学 9区 盛本 聖也(4年)
個人 全体平均
05km 14分45秒 ⑱
14’45 ⑱
14分32秒
14’32
10km 30分00秒 ⑲
15’15 ⑱
29分36秒
15’04
15km 44分58秒 ⑰
14’58 ⑬
44分35秒
14’59
20km 60分19秒 ⑭
15’21 ⑫
60分06秒
15’31
スパート 9’31 ⑥ 9’41
23.1k 69分50秒 ⑭ 69分47秒
京都・洛南高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
29:02.98 / 70:00 ⑮
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:21 / 69:15 ⑪

・さて、9区には盛本キャプテンが登場です。日体大はこの区間も強いイメージがあります。

・5km14:45、10km30:00、15km45:00というラップは、9区で70分を切ろうという場合の理想的なペース配分ですね。

・少し前でスタートした山梨学院を、権太坂の頂点までに追いつき、そこからの下り〜横浜駅までで徐々に離していったようです。そこはさすが、前年の6区山下り経験者です。

・しかし、もう一つ前は約2分30秒先の東京国際大で、したがってそこから中継所まではずっと前の見えない単独走となりました。後ろから猛追してきた東海大学・帝京大学・大東文化大学・立教大学から、良い具合に標的になってしまう位置ではありましたが、最後まで追いつかせず、鶴見中継所まで逃げ切ることができました。






日本体育大学 10区 大森 椋太(3年)
個人 全体平均
05km 15分23秒 ⑲
15’23 ⑲
14分52秒
14’52
10km 30分25秒 ⑱
15’02 ⑧
30分06秒
15’14
15km 45分58秒 ⑱
15’33 ⑯
45分35秒
15’29
20km 61分11秒 ⑯
15’12 ⑨
60分57秒
15’22
スパート 9’33 ⑦ 9’53
23.0k 70分44秒 ⑭ 70分50秒
岡山・玉野光南高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
29:01.32 / 70:19 ⑪
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:26 / 71:31 ⑯

予想タイムは70:19〜71:31で、大体予想通りに走っていました。

・序盤ずいぶん抑えて入りましたが、平坦な10区のコースにもかかわらずペースにバラつきがあります。これは、背後から来る大東文化大の谷口選手 (区間8位で好走) を意識してのことだと考えられます。

・というのも、計算上5kmの時点で、見た目上後ろにいる大東文化大学に、タイム上で逆転され16位→17位に落ちてしまいました。

(初日に先頭から10分以上離れたチームは、芦ノ湖一斉スタートでタイムを繰り上げている関係上、見た目とタイムの順位にズレが生じています)

・それは蒲田(5.9km)の定点の時点で、日体大にも情報が入ってきているはずです。

・再び逆転するには、後ろの大東文化大学を、見た目で32秒以上(33秒)リードしなければなりません。

・後ろの大東大との「見た目」の差の推移を推定してみると、

鶴見スタート:49秒差(ここでは16位日体大、17位大東大)

5km地点:約10秒差(32秒以内ですのでここで逆転を許しています)

10km地点: 約24秒差

15km地点: 約12秒差

20km地点: 約12秒差

23km地点 8秒差 でフィニッシュでした。(17位 日体大 16位 大東大 )

【16位:大東文化大編】目線の10区はこちら


・4年生達に対しては、山梨学院大学と堅実に並走させた日体大陣営でしたが、大森選手はまだ3年生。来年に勢いを繋げる + 1つでも上の順位を目指すためにも、玉城監督が運営管理車から指示を飛ばし、大森選手の逃げ切りを鼓舞していました。

・実は16位-17位争い、物凄く熾烈な戦いが繰り広げられていたのでした。

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■ NEXT 16位 大東文化大学


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