タイム解析・第99回箱根駅伝2023【16位 大東文化大学編】

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大東文化大学のチーム詳細

大東文化大学のユニフォーム:
上が黄緑、下がにんじん色

大東文化大学の監督:
真名子 圭(まなこ きよし)監督

検索ヒット数からみる大東文化大学の注目選手:
ピーター・ワンジル 選手
(2023年度 3年生)






大東文化大学の主な大会成績結果

2022年10月 箱根駅伝予選会:1位(10位圏内=予選トップ通過!)
2022年10月 【出雲駅伝】:不出場
2022年11月 【全日本大学駅伝】:14位
2023年01月 【箱根駅伝】:16位
2023年06月 全日本大学駅伝関東地区選考会:2位(7位圏内=予選通過!)

2023年10月 箱根駅伝予選会:?位

大東文化大学の箱根駅伝タイム解析(2023)

このブログに掲載するデータには、映像資料等をもとに鉄紺忍者( @tetsukontasukiw )自作のラップタイム試算ツールLAPTAによって算出した「推定タイム」を含みます。基本的な整合性の確認は行なっておりますが、正確性を保証しているわけではありません。このサイトによって生じた損害・トラブルに付きましては一切責任を負えませんのでご自身の自己責任で閲覧いただきますようお願い申し上げます。

大東文化大学 1区 久保田 徹(3年)
個人 全体平均
05km 15分19秒 ①
15’19 ①
15分19秒
15’19
10km 30分19秒 ①
15’00 ①
30分19秒
15’00
15km 44分59秒 ①
14’40 ①
44分59秒
14’40
20km 59分23秒 ⑭
14’24 ⑭
59分25秒
14’26
スパート 4’01 ⑰ 3’55
21.3k 63分24秒 ⑮ 63分20秒
埼玉・聖望学園高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:29.75 / 63:08 ⑨
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:15 / 63:13 ⑪

・大東文化大学。51回出場とこちらも伝統あるチームですが、今回は4年ぶりと久しぶりに帰ってきた形になりました。

・仙台育英の男子駅伝部の監督を務めていた真名子監督が、2022年度より大東文化大学の監督に就任しています。

・高校駅伝の強豪である仙台育英から来ている選手も多く、元々「山の大東」と呼ばれていた時代のような粘り強い叩き上げの選手と、エリート組とのコンビネーションで、近年急上昇中のチームです。

・1区の久保田選手は、予選会でチーム内3番手でゴールした日本人エース格の選手。

・19km手前、六郷橋まで1位集団の中についていました。

・その後、19kmで仕掛けた明治大・富田選手のスパートに離される形になりましたが、前の集団と100mほどの差で2区にタスキリレーしました。






大東文化大学 2区 ピーター・ワンジル(2年)
個人 全体平均
05km 14分02秒 ③
14’02 ③
14分16秒
14’16
10km 28分38秒 ⑧
14’36 ⑩
28分52秒
14’36
15km 44分28秒 ⑯
15’50 ⑳
44分01秒
15’09
20km 61分01秒 ⑳
16’33 ⑳
58分49秒
14’48
スパート 10’34 ⑳ 9’29
23.1k 71分35秒 ⑳ 68分18秒
宮城・仙台育英高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:25.20 / 68:33 ⑭
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:02:02 / 67:34 ⑧

・11月の全日本大学駅伝では、1区9.5kmで26分58秒の区間新記録をマークした、ピーター・ワンジル選手です。
・5km通過が14:02とかなり飛ばしていましたが、その次の5-10kmは平均ペースにまで落ちました。その後の失速を見るに、実際には最初の5kmはその中間の14:19あたりが適正ペースだったように思います。
・権太坂に入っていく10-15kmでは最下位ペースまで落ちてしまい、完全に本来のスピードを失ってしまいました。
・順当に走っていれば、チームは3区以降も中位くらいの集団でレースを進められたでしょう。その点で大東文化大学は、次回大会でも他校から見て油断できない存在となるでしょう。






大東文化大学 3区 入濵 輝大(1年)
個人 全体平均
05km 14分21秒 ⑭
14’21 ⑭
14分15秒
14’15
10km 28分55秒 ⑯
14’34 ⑮
28分42秒
14’27
15km 44分10秒 ⑯
15’15 ⑮
43分47秒
15’05
20km 60分16秒 ⑱
16’06 ⑲
59分02秒
15’15
スパート 4’09 ⑱ 4’04
21.4k 64分25秒 ⑱ 63分06秒
長崎・瓊浦高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:44.62 / 62:58 ⑭
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:53 / 63:22 ⑮

・1年生にして28分台を持っている、将来のエース候補です
・28分半カルテットのワンジル・久保田・木山・大野の4名がいながらも、往路の3区に抜擢されています。
・前半は飛ばしすぎではなく力通りだったかなと思いますが、15km以降ではまだハーフの経験が浅い部分が出てしまったでしょうか。
・そのあたりは、学年が上がるにつれて安定感が出てくるところだと思います。






大東文化大学 4区 大野 陽人(4年)
個人 全体平均
05km 14分42秒 ⑮
14’47 ⑯
14分31秒
14’31
10km 29分45秒 ⑮
15’03 ⑬
29分29秒
14’58
15km 44分52秒 ⑮
15’07 ⑬
44分30秒
15’01
20km 60分16秒 ⑭
15’26 ⑩
60分00秒
15’30
スパート 3’00 ⑬ 2’59
20.9k 63分16秒 ⑭ 62分59秒
山形・九里学園高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:35.92 / 62:30 ⑨
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:12 / 61:57 ⑥

・予選会でチーム内2番目でゴールした、久保田選手と並ぶ日本人エース格の一人です。
・持っている力からすると序盤はずいぶん慎重に入ったな、と思いますが、最後尾からのスタートで、関東学生連合を離した後はしばらく単独走でしたので、リズムを作っていくのが難しかったかもしれません。
・実際、ひとつ前の専修大学をとらえた15-20kmでは、初めて平均ペースを上回ってきました。
・18位の立教大学も49秒前に見えてきた、19位まで追い上げたところで、小田原中継所にてタスキリレーしました。







大東文化大学 5区 菊地 駿介(3年)
個人 全体平均
05km 15分57秒 ⑬
15’57 ⑬
15分54秒
15’54
10km 34分55秒 ⑬
18’58 ⑮
34分40秒
18’46
15km 54分32秒 ⑮
19’37 ⑭
54分07秒
19’27
20km 71分01秒 ⑬
16’29 ⑩
70分53秒
16’46
スパート 2’20 ⑭ 2’20
20.8k 73分21秒 ⑫ 73分13秒
宮城・仙台育英高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
29:00.45 / 72:12 ⑦
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:27 / 72:03 ⑦

・2019年の全国高校駅伝で、仙台育英高校が優勝した際の優勝メンバーです。当時私も観ていました。
・持ちタイムからの予想では、72分前半という試算も出ていましたが、特に山登りは走ってみないと、適性などわからない要素が大きいです。
・11月の全日本大学駅伝で上り坂の厳しいアンカー8区を走った西代選手が起用できなかったことから、急遽7区あたりの他区間から回ってきたものと思われます。
・トータルで見ると、登りはやや苦戦傾向です。
・ですが終盤15-20kmの下りのあたりは、16:29で区間10位ペース。適性というより、菊地選手の元々の走力で押し切っている感じがします。都大路 (全国高校駅伝) でも、下り基調の4区を走っていましたから、おそらく下りのほうが得意なのでしょう。
・小田原中継所19位から、箱根芦ノ湖17位まで上げて、復路2日目に繋ぎました。






大東文化大学 6区 佐竹 勇樹(3年)
個人 全体平均
05km 16分23秒 ②
16’23 ②
16分47秒
16’47
10km 29分37秒 ⑤
13’13 ⑨
30分04秒
13’17
15km 42分58秒 ⑤
13’21 ⑨
43分37秒
13’33
20km 57分01秒 ⑥
14’02 ⑪
57分51秒
14’14
スパート 2’23 ⑤ 2’26
20.8k 59分24秒 ⑥ 60分17秒
滋賀・比叡山高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
30:00.23 / 62:38 ⑲
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:06:11 / 60:34 ⑮

・全10区間の中で、大東文化大学が最も良い区間順位で走ったのが、この6区でした。

・「山の大東」と呼ばれ多くの職人ランナーを輩出してきており、特に箱根駅伝6区では、2001年に金子宣隆さんがマークした58分21秒がしばらく区間記録として残っていたこともありました。

・佐竹選手は、序盤の芦之湯までの登りを区間2位でスタートする圧巻の入りを見せます。一斉スタート組から完全に抜け出して、50秒前にスタートした帝京大学をあっという間にとらえてしまいました。

・下りに走ってからも、安定した走りで序盤のリードを保ち、区間6位で小田原中継所にタスキリレーしました。

・もともと関東インカレ2部の3000m障害チャンピオンですから、非常に足腰が強いのでしょうね。箱根の山登り・山下りでも発揮されました。この6区は、他校と比べても強みにできる部分かと思います。

大東文化大学公式スポーツサイト
大東文化大学公式スポーツサイト。各クラブの試合日程や結果、充実した施設をご紹介。陸上競技(駅伝)、ラグビーをはじめ多くのクラブが全国トップクラスの強豪として、輝かしい実績を誇り、「大東スポーツ」の存在は全国的に知られています。

【陸上競技部】第101回関東学生陸上競技対校選手権大会で男子1部に昇格/お知らせ|大東文化大学公式スポーツサイト






大東文化大学 7区 金田 龍心(4年)
個人 全体平均
05km 14分49秒 ⑱
14’49 ⑱
14分34秒
14’34
10km 30分20秒 ⑱
15’31 ⑱
29分51秒
15’17
15km 45分27秒 ⑰
15’07 ⑥
45分07秒
15’16
20km 60分37秒 ⑯
15’10 ⑭
60分14秒
15’07
スパート 3’58 ⑪ 3’59
21.3k 64分35秒 ⑮ 64分13秒
宮城・仙台育英高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
29:04.04 / 64:02 ⑪
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:08 / 64:26 ⑭

・箱根予選会を走っていませんし、4年生の最後でレギュラーに滑り込んだ選手だったのでしょうか。
・下り基調の序盤5kmが14:50かかっていて、ペースがあまり上がっていませんでしたが、後ろから山梨学院大学の石部選手・日本体育大学の名村選手が追いついてきてからは、三人で並走したことでペースが上向きました。
・二宮押切坂の登りがある中盤10-15kmでは区間6位ペースで走れています。
・最後は道中区間15位を走っていた東洋大の選手のタイムに並び、区間15位タイで平塚中継所へタスキリレーしました。






大東文化大学 8区 木山 凌(4年)
個人 全体平均
05km 14分57秒 ⑰
14’57 ⑰
14分46秒
14’46
10km 30分33秒 ⑲
15’36 ⑲
30分00秒
15’14
15km 46分04秒 ⑲
15’31 ⑰
45分17秒
15’17
20km 61分54秒 ⑱
15’50 ⑫
61分09秒
15’52
スパート 4’25 ⑬ 4’22
21.4k 66分19秒 ⑱ 65分31秒
愛媛・松山商業高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:35.47 / 64:29 ④
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:27 / 65:50 ⑮

・10000mで28分35秒という素晴らしい記録を持っている木山選手です。

・しかし、11月の全日本大学駅伝を欠場しており、なんとか1月の箱根駅伝に間に合わせた形だったでしょうか。持ちタイムからすると、苦戦しているように見えます。

・大東文化大学・山梨学院大学・日本体育大学の3チームの並走は、7区に引き続き8区でも繰り広げられました。

・8区前半の海岸線では3チームで並走できましたが、市街地に入ってくると、大東の木山選手だけ脱落する形となり、後ろからかなり飛ばして追い上げてきた帝京大学の山中選手にも抜かれてしまいます。

・しかし、登り坂が続く終盤15-20kmでは、一時区間12位と、平均ペースまで上がっています。ペースが落ちてきていた東海大学を抜き、戸塚中継所へタスキリレーしました。

・この間に、総合順位としては16位→17位に落ちています。以降ライバルとなってくるのは、タイム上21秒前にいる日本体育大学となってきそうです。






大東文化大学 9区 大谷 章紘(2年)
個人 全体平均
05km 14分37秒 ⑯
14’37 ⑯
14分32秒
14’32
10km 29分45秒 ⑯
15’08 ⑯
29分36秒
15’04
15km 44分41秒 ⑬
14’56 ⑩
44分35秒
14’59
20km 60分02秒 ⑬
15’21 ⑬
60分06秒
15’31
スパート 9’44 ⑭ 9’41
23.1k 69分46秒 ⑬ 69分47秒
茨城・水城高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:49.42 / 68:58 ⑦
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:04:54 / 70:39 ⑯

・力のある東海大学の竹村選手が追いついてきて、20kmもの間、二人で並走する形になりました。
・まだ2年生ですが、全日本大学駅伝でも6区に起用されているレギュラー選手で、今後の大東文化大学のスタミナエースになっていく存在だろうと思います。
・OB池田紀保さんが持っていた9区の大東文化大学記録 (1:10:08) を更新しました。
・9区では順位変わらず17位をキープ。16位日体大もほぼ同じタイムでしたので、タイム差17秒で、最終10区へと突入します。






大東文化大学 10区 谷口 辰熙(4年)
個人 全体平均
05km 14分44秒 ⑨
14’44 ⑨
14分52秒
14’52
10km 30分01秒 ⑫
15’16 ⑬
30分06秒
15’14
15km 45分21秒 ⑩
15’20 ⑨
45分35秒
15’29
20km 60分34秒 ⑪
15’13 ⑪
60分57秒
15’22
スパート 9’29 ④ 9’53
23.0k 70分03秒 ⑧ 70分50秒
滋賀・比叡山高 出身
10000mベスト / 予想リザルト
28:46.52 / 69:35 ④
ハーフマラソンベスト / 予想リザルト
1:03:56 / 70:41 ⑬

・さあそして、熾烈な16位争いを勝ち切ったのが、4年生の谷口選手でした。6区の3年生・佐竹選手に続き、比叡山高校出身が大健闘ですね。

・タイム差推移などの詳細は、【17位: 日本体育大学編】の10区の項にてご覧ください。

・ラスト3kmは、それまでの20km走ってきた消耗に加え、東京のビル街特有の風がありますから、9分30秒(平均3分10秒)切れる選手ってほとんどいないんですよね。谷口選手は9分28秒の猛スパートを見せ、前の日本体育大学とのタイム上の順位を逆転し、総合16位でフィニッシュしました。

・そして、真名子監督が持っていた10区の大東文化大学記録 (1:10:19) を、22年ぶりに更新しました。

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